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ホーム全日病ニュース(2021年)第983回/2021年4月1日号新型コロナを踏まえた診療報酬特例の算定状況を公表

新型コロナを踏まえた診療報酬特例の算定状況を公表

新型コロナを踏まえた診療報酬特例の算定状況を公表

 厚生労働省は3月10日の中医協総会(小塩隆士会長)に、新型コロナに対応するための特例的な診療報酬の算定状況を把握するための、データを示した。2020年4月~7月のNDBデータを集計し、2019年と2020年の同時期の算定状況をみた。特例的な診療報酬の取扱いが実施されていることで、2019年とは算定回数などが大きく変化している。
 下図は、電話等再診料の算定状況である。コロナ禍で、受診抑制が生じ、必要な受診が行われないことを避けるため、再診での電話・オンライン診療の要件を段階的に拡大してきた。このため、電話等再診料の算定回数は2019年の同時期と比べ、大きく増加している。2020年4 月の算定回数は114万9,882回で対前年同期比655%、5月は93万9,328回で同569%、6 月で54万7,260回、同316%となっている。
 規制改革推進会議などオンライン診療の拡大推進派の後押しもあり、初診からの電話・オンライン診療も可能となった。電話等初診料(214点)の算定は4月で2万5,636回、5月で2万9,761回、6月で1万5,939回。ただ、この間の対面の初診料の算定は、対前年同期比で4月が58%、5月が59%、6月が79%という落ち込みを示している。
 救急医療管理加算(950点)は、一般病棟における新型コロナ患者の受入れを評価し、患者の症状に応じ、入院基本料に2~3倍の点数を算定できるようになった。このため、例えば、2倍の点数では、4月で8,260回、5月で1万850回、6月で472回の算定となっているが、対前年同期比でみると、全体の算定回数は下がる状況となっている。通常の救急管理加算1の算定は、4月で同80%、5月で同85%、6月で同90%と下がっている。
 新型コロナ患者の入院における感染症対策を評価した二類感染症患者入院診療加算(250点)の算定回数は大幅増だ。2~4倍の点数を算定できる場合を含め、算定回数は対前年同期比で、4月で4,199%、5月で同3,908%、6月で同2,750%となっている。

 

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