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ホーム全日病ニュース(2021年)第984回/2021年4月15日号連携B水準の医師の割合は10大学病院26診療科で27.3%

連携B水準の医師の割合は10大学病院26診療科で27.3%

連携B水準の医師の割合は10大学病院26診療科で27.3%

【厚労科学研究事業】5診療科が医師派遣縮小の可能性ありと回答

 厚生労働省は3月26日、厚労科学特別研究事業による「新型コロナを踏まえた医師の働き方改革が大学病院勤務医師の働き方に与える影響の検証等の研究」(研究代表者=裵英洙・慶應義塾大学特任教授)を公表した。10大学病院の長時間労働の医師が多い26診療科を対象に、2020年12月の1週間の勤務実態を調査した。医師の働き方改革の時間外労働の基準別に、医師の割合をみると、A水準(年960時間以下)が40.1%、連携B 水準(年1,860時間以下)が27.3%、B・C 水準(同)が9.4%、B・C 水準を超過が23.2%となっている。
 ただし、この割合は大学病院・兼業先ともに待機時間を含む。兼業先では、宿日直許可を取ることで、労働時間から除き得る可能性があるため、大学病院の勤務は待機時間を含み、兼業先では除いた場合も示した。それの場合は、A 水準が57.3%、連携B 水準が18.5%、B・C 水準が13.7%、B・C水準を超過が10.5%となった。
 10大学病院へのヒアリングでは、現状の勤務体制から労働時間短縮計画の内容、地域・関連病院への医師派遣への影響などをきいている。10大学病院は①地域の偏りがない②国公立大学、私立大学どちらも含まれる③医師少数と医師多数の都道府県が含まれる─を満たすようにした。各大学病院の事情に応じて、2~3診療科を選定した。
 10大学病院26診療科で、上限規制遵守を目的とした医師派遣縮小の可能性が「ある」と回答したのは、5診療科だった。循環器内科で2大学、腎臓内科で1大学、産婦人科で2大学。救急科は一部で聴取できていない。
 2024年度からの医師の働き方改革の施行に備えた勤務体制の見直しでは、「主治医制からチーム制、複数主治医制の導入」、「シフト制や変形労働制の導入」、「各科当直から複数診療科によるグループ当直の導入」、「オンコールの併用」などの状況をきいている。当直体制では、グループ当直による対応が多くなっている。タスク・シフト/シェアでは、医師事務作業補助者の活用も多く、拡充を検討する診療科も少なくなかった。

 

全日病ニュース2021年4月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 全日病ニュース・紙面PDF(2020年9月15日号)

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2020/200915.pdf

    2020年9月15日 ... 新型コロナの影響もあり、議論がス. トップしていた。今回、厚労省は年内 ...
    研究代表者=裵英洙・慶應義塾大学. 特任教授)によると、調査対象と ... 定数
    超過入院や月平均夜勤時間数、看. 護師等の数・比率、平均在院日数 ...

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