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ホーム全日病ニュース(2021年)第987回/2021年6月1日号コロナ危機を乗り越え、病院の持続可能性にチャレンジ!
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第62回全日本病院学会 in 岡山佐能量雄・学会長に聞く

 第62回全日本病院学会in岡山が8月21、22日の両日、岡山県岡山市で開催される。新型コロナの影響で、開催が1年延期された岡山学会の準備状況や学会の見どころを佐能量雄学会長にきいた。

新型コロナで1年延期
WEBの利点を生かした学会に

― 新型コロナウイルスの感染拡大で学会開催が1年延期となり、ご苦労があったことと思います。
 昨年9月の開催で準備していましたが、新型コロナのパンデミックという事態を受けて、やむなく1年の延期を決めました。学会テーマも『コロナ禍での病院経営 ~持続可能へのチャレンジ!~』に変更し、未曾有の感染症に打ち勝ち、アフターコロナの時代における医療のあり方と病院経営の進むべき方向を考える学会にしようと準備を進めてきました。
 いろいろな方に声をかけて岡山にくることをご了解いただき、内容のあるプログラムになっていると思います。

― コロナ禍にあってWEBを活用した学会になりますね。
 学会は、岡山コンベンションセンターと岡山県医師会館を会場として開催しますが、積極的にWEBを活用し、ライブとオンデマンドを併用したハイブリッド形式で準備しています。
 できるだけ多くの方に岡山に来ていただきたいという思いがありますが、コロナの状況であり、安全な学会にする必要があります。また、WEBで情報を得る時代ですから、ハイブリッド方式として特別講演やシンポジウム、委員会企画等はWEBでライブ配信するとともに、学会終了後に約4週間、オンデマンドで配信し、2,500の会員病院に最新の情報をしっかり届けたいと考えています。

多彩な演者を招聘
アフターコロナの医療を語る

― プログラムの概要を説明していただけますか。
 メインの第1会場では、開会式に続いて、8つの招聘講演・特別講演、4つのシンポジウムを予定しています。
 最初の招聘講演では、日本医師会の中川俊男会長に『最近の医療情勢とその課題~新型コロナウイルス感染症対策に向けて~』のテーマでご講演いただきます。
 続いて特別講演1では、厚生労働省の迫井正深医政局長に『コロナ対応を踏まえた日本の医療のこれから』のテーマでご講演いただきます。
 特別講演に続いて21日午前には、シンポジウム1『アフターコロナ禍のグレート・リセット、新しい日本の医療を考える』を予定しています。
 全日病の猪口会長をはじめ、日本医師会の中川会長、厚労省の迫井医政局長、日本病院会の相澤孝夫会長、日本医療法人協会の加納繁照会長をシンポジストに迎え、一刻も早くコロナ危機を克服し、力強い復活を遂げるための提言をいただきたいと考えています。あわせて人口減少、高齢化、少子化に対応した確かな道筋を示していただきます。
 シンポジウム2では、最も気になる話題を取り上げました。『コロナ禍・超少子高齢人口減少時代、持続可能へのチャレンジ!』のテーマで、地域医療構想調整会議におけるダウンサイジング・再編・連携・統合を検証していただこうと思います。
 人口減少に向かう日本の各都市における病院を中心とした地域創り・街造りへの挑戦、調整会議でのダウンサイジング・再編・統合に言及しつつ、最適な地域包括ケアシステムと医療介護提供体制の構築にむけて議論します。
 22日午前のシンポジウム3では、『令和時代の医療 中小病院の生きる道』をテーマとし、急性期・回復期・慢性期・在宅のそれぞれの立場から、地域を支える持続可能な中小病院の姿を探ります。
 最後のシンポジウム4では、『新型コロナ感染症との壮絶な闘いの検証と今後に向けての展開』のテーマで討論します。新型コロナ感染症に正面から立ち向かった壮絶な現場の状況を振り返り、感染第4波やワクチン接種後のアフターコロナへの戦略、病院経営の復活について語っていただきます。
 また、学会長の指定講演として、『女性トップの考える地域の命を支えて街創り!』のテーマでパネルディスカッションを用意しました。地域の街創りに挑戦し、質の高い医療提供に取り組む女性理事長にご登壇いただき、持続可能性へのチャレンジを語っていただきます。

― 特別講演、招聘講演について教えてください。
 21日午後の特別記念講演では、岡山県を代表して、大原記念倉敷中央医療機構理事長で大原美術館名誉館長の大原謙一郎先生に『コロナと世界と「人文知」』のテーマでご講演いただきます。
 特別講演2では、公認会計士の石井孝宜先生に『コロナ禍の病院経営の検証とその対策』のテーマでご講演いただきます。外来改革と病院機能の今後についてもお話いただく予定です。
 22日には、3つの招聘講演を組みました。日本看護協会の福井トシ子会長には、『Nursing Now キャンペーン』のテーマで、新型コロナの最前線で闘う看護師の立場からのご講演をいただきます。
 厚労省の福島靖正医務技監には、技官のトップとして、日本の医療をどのように導いていくかをお話しいただきます。
 もう一つの招聘講演では、全国公私病院連盟の邉見公雄会長にご講演いただくことになりました。邉見先生から、『生いのち命輝かそう全日本病院学会~地域包括医療ケアの時代に~(コロナ禍を乗り越えて)』という素晴らしいテーマをいただきました。

― 委員会企画について教えてください。
 全日病は、伝統的に会員病院の資質向上のための教育や研修会に力を注いできました。医療安全や病院機能評価、救急・防災など多くの委員会活動を通じて切磋琢磨しています。全日病の力量の源である委員会企画は、それぞれ90分間で報告していただき、委員会活動の成果を会員に届けたいと思います。

現場の声を踏まえ活発な意見交換を期待

― 一般演題については、いかがでしょうか。

 一般演題は、5月26日までで521題が集まりました。ありがとうございます。ぜひ、岡山にて現場の声を紹介していただき、活発な意見交換が行われることを期待しています。なお、一般演題の発表者には、音声付パワーポイント動画を作成していただければ、オンデマンド配信し、再視聴していただけます。WEB上でもディスカッションの場を作っていただければ幸いです。

― コロナ禍の学会開催で、感染対策も必要になりますね。
 懇親会や会長招宴が開けないのは残念ですが、こればかりは仕方ありません。安全な学会とするために各種対策を講じて開催させていただきます。

参加費はWEB参加を含む多くの会員の参加を

― 参加費について説明してください。
 参加費はできるだけ安く設定して、多くの会員病院にWEBで参加していただきたいと考えて議論を重ねました。会員在籍施設に所属の場合、理事長・院長は33,000円、それ以外の方は11,000円とし、WEB視聴の料金を含むこととしました(事前参加登録の場合)。できれば、すべての会員病院に参加していただきたいと考えています。WEB参加では、すべてのプログラムではありませんが、シンポジウムや委員会企画の多くを学会終了後にオンデマンドで視聴できます。

― 最後に一言お願いします。
 私自身の経験ですが、全日病に加入してから、毎年学会に参加し、いろいろなことを勉強させていただきました。隣の病院に聞いても教えてくれないようなことを学会に参加することで知ることができて、日々の病院経営に役立てることができました。
 皆様の病院に役立つプログラムを組みましたので、ぜひ学会に参加して、新しい知識を吸収し、質の高い医療提供に挑戦していただきたいと思います。

― ありがとうございました。

 

全日病ニュース2021年6月1日号 HTML版

 

 

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