全日病ニュース

急激な感染拡大を想定した対応策を集計

【厚労省】１日当たり最大新規感染者数は１万６千人と想定

　厚生労働省は５月21日、新型コロナの感染が短期間で急拡大した場合を想定した各都道府県の対応方針の集計結果を公表した。年末年始の第３波の１日当たり最大新規感染者数の２倍程度を見込み、患者受入れが実際に可能なベッド数や自宅を含めた療養施設の確保状況を示した。全国合計の１日当たり最大新規感染者数は約１万６千人、１日当たり最大療養者数は約12万８千人となった。
　各都道府県が病床・宿泊療養施設計画を５月中に見直すことを、厚労省は求めている。今回の対応方針はそれに先立つもの。４月に報告された対応方針を集計した。急激な感染拡大が生じても、医療崩壊を起こさないよう、入院や手術の延期など一般医療の制限を含めた緊急避難的対応への備えを田村憲久厚労相が求めていた。
　病床確保については、個別の医療機関と協議し、医療機関ごとに確保数まで割り当てている場合と、確保方針を関係者間であらかじめ合意している場合がある。入院優先度や緊急度等の判断基準を導入している都県もある。宿泊・自宅療養者で救急搬送要請があった際、入院先が決まるまでの間、酸素投与の措置を行う体制を整備することを決めた府県もある。
　第４波と呼ばれる感染拡大で、すでに第３波の１日当たり最大新規感染者数の２倍を超えている道県が９ある。これらの９道県には一定程度収束した段階で、再検討を求めていく。具体的には、北海道、青森県、福島県、茨城県、石川県、島根県、香川県、佐賀県、大分県。大阪府は１日当たり最大新規感染者数を1,300人と見込んだが、想定を上回る感染者数が生じる恐れがあり、現在再検討中としている。
　最も想定患者数の多い東京都の場合、2021年４月までの１日当たり最大新規感染数は2,520人であり、１日当たり最大新規感染者数は3,722人を想定した。過去の１日当たり最大感染者数の２倍は想定していない。なお、2021年５月以降の１日当たり最大新規感染者数は1,121人となっている。
　一方、2021年４月までの１日当たり最大療養者数は２万777人、1日当たり最大療養者数は２万3,406人と想定した。