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ホーム全日病ニュース(2021年)第993回/2021年9月1日号新興感染症等への対策でヒアリング実施

新興感染症等への対策でヒアリング実施

新興感染症等への対策でヒアリング実施

【厚労省・医療計画等に関する検討会】救急・災害医療提供体制WGの設置も了承

 厚生労働省は8月6日、第8次医療計画等に関する検討会(遠藤久夫座長)を書面による持ち回りで開催したことを公表した。同検討会は、新興感染症への対応で今後ヒアリングを行うことを決めた。2024年からの第8次医療計画に新たに追加される新興感染症等への対策について、医療現場や自治体などの関係者からヒアリングを実施する。その際、新型コロナ対応と、今後の新興感染症等の対応に関する課題を聞く。
 具体的には、◇入院体制(病床確保、各医療機関での感染防止対策、医療従事者の配置転換など)◇地域での役割分担と入院調整◇搬送体制◇外来体制◇人材確保の支援―に関して、ヒアリングを実施する。
 同検討会は、下部組織として「救急・災害医療提供体制に関するワーキンググループ」を設置することも了承した。7月16日に終了した厚労省の「救急・災害医療提供体制等のあり方に関する検討会」の議論を引き継ぐ。
 同検討会の下にはすでに「地域医療構想および医師確保計画」「外来機能報告等」「在宅医療および医療・介護連携」のワーキンググループ(WG)がある。救急・災害医療提供体制に関するWGが加わって、4つのWGとなる。
 検討会は持ち回りで開催され、厚労省ホームページですでに議事要旨が公開されている。
 それによると、全日病副会長の織田正道委員は、新興感染症等対応に関する検討の進め方について、「新興感染症を封じ込めるための予防計画と、感染拡大時の医療計画を円滑に行うためには、次のようなことが重要だと考える」と述べ、考え方を示した。
 具体的には、「まずは、感染拡大時に感染症指定医療機関における一般病床そのものを即応病床として転用可能とすること、次いで、病棟ごとのゾーニングが可能な大病院を準備並びに即応可能な病床として指定しておくこと。また、重症患者受入病院は、三次医療圏レベルで医療計画において明確にしておくこと、感染症協力医療機関は中小医療機関が多いので、疑似症例を受け入れるとともに、後方支援病床として確保することが必要になる」と述べた。
 救急・災害医療提供体制に関するWGについては、「新興感染症拡大時に救急医療が混乱しないように、二次、三次救急医療機関の中で、新興感染症受入れ機関と、そうでない機関を明確にしておくことが必要である」と強調した。
 地域医療構想および医師確保計画に関するWGについては、日本医療法人協会会長の加納繁照委員が、「地域医療構想に関して、大阪府下で地域医療構想調整会議、大阪府医療審議会等での最終結論が実行されないという不備が疑われており、今後、全国への影響も懸念される。何らかの局長通知等で不備が改善するよう対応の議論を進めてほしい」と要望した。
 また、医師確保計画に関し、「全国の病院医師不足は全く改善されておらず、医学部入学定員の継続的対応と再度、女子入学者増加の影響の検討を求める」と述べた。

 

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