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ホーム全日病ニュース(2021年)第995回/2021年10月1日号オンラインによる看護領域支援を受けて

オンラインによる看護領域支援を受けて

オンラインによる看護領域支援を受けて

医療法人社団尚志会 福山城西病院 看護部長 森田恵美子

 新型コロナウイルス感染拡大により、2カ月遅延の第1回事務領域のご指導を終え、いよいよ待ちに待った看護領域・木村由起子先生とお逢いできるはずでしたが、またの緊急事態宣言で急遽オンラインでの支援に変更となりました。先生から指示された院内各所の写真、不合格となるC 評価をB 評価以上の合格に上げるための取り組みを記載した自己調査評価表をメールでお送りし、当日を迎えることとなりました。
 未体験のオンラインという試みで緊張しましたが、画面から感じる木村先生のお人柄、そして他人事でない雰囲気を終始感じつつ、「城西病院の一員」目線でのアドバイス、多くのご指摘をいただきました。今まで取り組んできたことに間違いはないとの確信とともに、更に気持ちが昂りました。私だけでなく各看護主任も支援後に奮起し、早速患者一症例を取り上げて、コメディカルを交えた多職種との連携を図りながら看護援助に取り組んでいます。参加した看護主任4名に、この度の支援を受けての感想を書いてもらいましたので紹介します。
【療養病棟主任】
 オンライン支援のため総論的なアドバイスをイメージしていました。しかし、「自分の病院みたいに思えて、厳しく見ました」と微に入り細に入り親身になって指導を頂け驚きました。もし訪問が許され向き合って話し合いが行われていたら、もっともっと白熱したたくさんの話が伺えたのではないかと残念にも感じました。私は機能評価受審が初めてであり、審査がどのように進められていくのかイメージが湧きませんでした。しかし、当日の流れを映像が浮かぶように説明して頂き、身に迫り、更に取り組む意欲に繋がりました。
【外来主任】
 初めての受審であり、マニュアルの整備から取り組んでいます。この度のアドバイスで看護スタッフへマニュアルを周知・徹底することの大切さ、一つ一つの看護援助を丁寧に行うことの必要性を更に感じました。看護だけでなく、他職種がチーム一丸となって専門性を発揮し、多角的に議論・検討することの重要についても改めて認識することができ、私たちが取り組むべき方向性を掴むことができました。
【一般病棟主任】
 規準・手順・文書を整えることは統一した看護を提供する良い機会になるとのアドバイスを頂き、大変な努力が必要ですが、皆で分担しながら整えていきたいと思いました。当院の現状に添った詳細で適確なご助言を参考にしながら、看護実践に取り組んでいきたいと思います。
【透析室主任】
 私を含め当院でしか働いたことのないスタッフや経験年数の浅いスタッフが多い現状の中で、考え方ややり方がガラパゴス化していたのだと強く感じました。以前からもその傾向があることは薄々理解していたのですが、何が問題なのか、どこを変えれば良いのかを具体的に見つけることができていませんでした。先生のお話を聞くことができ質問できたことで、例えばダイアライザーや回路などの感染性廃棄物の持ち歩きや、顔馴染みのため行っていない誤認防止のための患者確認など、今までの当たり前が世間の非常識なのだと痛感しました。機能評価の経験は自分達がより成長できる機会となると思えたことが大きな収穫となりました。

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 以上、各主任が前向きに機能評価受審を捉えており、一丸となっていることを誇りに思います。コロナ禍のための厳重な感染対策、紙カルテから電子カルテへの移行と多重課題がありますが、中小規模の病院の強みコミュニケーションの高さで乗り越えていけると感じております。2回の支援を受け、機能評価の歴史など基礎的な内容から、機能評価が巻き起こす良い意味での変貌、特に当院のような中小規模の病院が受ける意味合いなど深部に至るまで説明を受けました。当院が見本となれるよう、来年の機能評価の審査を迎える日には、自信をもって実践した看護の評価を受けたいと前向きな思いを抱けるように今後も取り組んでいきます。

 

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