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ホーム全日病ニュース(2021年)第998回/2021年11月15日号ポリファーマシー対策でモデル病院から中間報告を受ける

ポリファーマシー対策でモデル病院から中間報告を受ける

ポリファーマシー対策でモデル病院から中間報告を受ける

【高齢者医薬品適正使用検討会】来年度は地域を対象にモデル事業を行う

 厚生労働省の「高齢者医薬品適正使用検討会」(印南一路座長)は11月4日に会合を開き、ポリファーマシー対策に取り組んだモデル病院から中間報告を受けるとともに、今後の取組み方を協議し、2022年度は地域に焦点を当ててモデル事業を行うことを決めた。
 同検討会は、高齢者の薬剤療法に関する安全対策を進めるため、2017年に「高齢者の医薬品適正使用の指針」をまとめた。2020年には医療機関で活用できる業務手順書として、「病院におけるポリファーマシー対策の始め方と進め方」を作成。2021年度は、その使いやすさや課題を探るためのモデル事業を実施した。この日は、モデル事業に参加した藤田医科大学病院、国立がん研究センター中央病院、三豊総合病院が中間報告を行った。
 「始め方と進め方」については、「業務の大枠を構築する上で有用」などの報告があった一方、ポリファーマシー対策に医師の参加が少ないことや病院全体の取組みになっていないなどの課題も浮かび上がった。
 秋下雅弘構成員(日本老年医学会理事長)は、「病院全体でポリファーマシー対策に取り組む必要がある。医師が参加する形で研修会を開いてほしい」と要望した。
 美原盤構成員(全日病副会長)は、「若い研修医はポリファーマシーという言葉を知らない。教育病院において、研修医の段階でポリファーマシーについて理解を深めることが重要だ」と指摘した。
 モデル病院の報告を受けて、厚労省が今後の取組み方を提案。2022年度は地域に焦点を当て、モデル地域を選定して、ポリファーマシー対策を進める上での課題抽出を行うことを提案し、了承された。

 

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