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ホーム全日病ニュース(2022年)第1011回/2022年6月15日号新型コロナを踏まえオンライン診療の指針緩和求める

新型コロナを踏まえオンライン診療の指針緩和求める

新型コロナを踏まえオンライン診療の指針緩和求める

【規制改革推進会議】薬剤師の業務拡大や抗原定性検査キットのOTC化も提案

 政府の規制改革推進会議(夏野剛議長)は5月27日、規制改革に関する答申をまとめた。6月7日に実施計画を閣議決定した。医療に関しては、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を改訂し、現状の様々な規制を緩和することを求めた。薬剤師の業務拡大や新型コロナの抗原定性検査キットのOTC化も提案した。その上で、厚生労働省に年限を定めて検討し、結論を得ることを求めている。
 答申では、「新型コロナが日本の医療デジタル化の遅れを始め医療関連制度の不全を露呈させた」として、規制改革を求めた。その問題意識から、5つの項目を取り上げた。
 5項目は、①在宅での検査等の円滑化②医療DXの基盤整備(在宅医療や健康管理)③医療DXを支える医療関係者の専門能力の最大発揮④先端的な医薬品・医療機器の開発促進⑤利用者のケアの充実が図られ専門職が力を発揮できる持続的な介護制度の構築─。各項目について、具体的な課題を示すとともに、結論を得る時期を定めている。
 抗原定性検査キットの利用環境の整備では、特例的に薬局で購入できることにした現状を踏まえ、抗原定性検査キットのOTC化を検討し、2022年度上期に結論を出すことを求めた。また、薬局で抗原定性検査キットを購入する際に、書面に署名することの廃止も検討すべきとしている。
 オンライン診療・服薬指導のさらなる推進では、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の改訂を盛り込んだ。特に、情報セキュリティ対策について緩和の検討を促した。年内に結論を得るとした。
 具体的には、以下の事項の見直しを検討すべきとした。◇情報通信・患者の医療情報の保管について十分な情報セキュリティが講じられていることを医師が確認しなければならないこと◇汎用サービスが端末内の他のデータと連結しない設定にしなければならないこと◇チャット機能やダウンロード機能は原則使用しないこと─など。
 また、オンライン診療を実施する際の患者の本人確認の方法について、顔写真付きの身分証明書を持たない場合に、2種類以上の身分証明書を用いるのは対面診療に比べ厳格であることから、健康保険証の提示など対面診療と同程度の厳格さで本人確認ができるようにする見直しを求めた。年度内に結論を得るとした。
 電子処方箋に関しては、普及させるために、医師が電子署名を行う際の負担を軽減する必要があるとし、医師が医療機関で電子カルテシステムを利用して、電子処方箋を出力する場合に、電子署名事業者が医師に対して、個別に改めて資格確認・手続きを行わなくてもよい仕組みとすることを検討すべきとした。今年度中に結論を得るとした。
 医療人材の不足を踏まえたタスクシフト/タスクシェアの推進では、「在宅医療を受ける患者宅において必要となる点滴薬剤の充填・交換や患者の褥瘡への薬剤塗布といった行為」を薬剤師が実施することの適否に関し、今年度中に実施可能性などの課題の整理を行い、早期に結論を得ることを求めた。

 

全日病ニュース2022年6月15日号 HTML版

 

 

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  • [1] 2021.3.1 No.981

    2021/03/01 ...外来・入院患者、手術等をみても、. 新型コロナの影響が続いていることが. わかる。特に11月が顕著で、1病院当. たり月平均の外来患者数は2019年の.

  • [2] NEWS 4/1 - 全日本病院協会

    る」として、特例実施の適否を諮った ... 閣議決定を得た国家戦略特区諮問会議. は、2月に地方自治体への ... また、訪問看護の算定要件に褥瘡対策を追加した。

  • [3] 2021.12.1 No.999

    2021/12/01 ...武蔵野赤十字病院は、感染症病床を. 有する指定医療機関であり、多くの重. 症患者を受け入れた。2020年1月~. 2021年10月の間の最大確保病床数は76. 床( ...

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