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ホーム全日病ニュース(2022年)第1013回/2022年7月15日号全日病会長の猪口雄二氏が日医副会長に当選

全日病会長の猪口雄二氏が日医副会長に当選


左から角田副会長、茂松副会長、松本会長、猪口副会長

全日病会長の猪口雄二氏が日医副会長に当選

【日本医師会】松本吉郎会長の下で新執行部が始動

 日本医師会は6月25日の代議員会で役員選挙を実施し、会長に松本吉郎・前日医常任理事を選出した。猪口雄二・全日病会長は副会長に当選。前執行部に引続き、副会長を続投する。松本会長は、6月26日の所信表明で、最重要課題として医師会の組織力の強化や政財界との連携、次期の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定における社会保障財源の確保をあげた。

松本氏が310票、松原氏が64票
 今回の会長選は、現職の中川俊男氏が出馬を辞退し、中川執行部で副会長を務めた松原謙二氏と、常任理事を務めた松本氏との一騎打ちとなった。
 当初は、中川氏が3月の臨時代議員会で事実上の立候補を表明。中川氏のキャビネットには、副会長として松本氏が入る予定だった。しかし、5月に松本氏、松原氏が立候補の決意を固め、相次いで立候補を表明した。中川氏は5月23日に会見を開き、「今夏の参議院選挙に向け会内の分断を回避するため」、出馬辞退を表明した。
 その後、松本氏は5月24日に正式に出馬を表明。当時、九州医師会連合、関東甲信越医師会連合、中部医師会連合、東北医師会連合から推薦を得ていることを明らかにした。茂松茂人大阪府医師会会長は、近畿医師会連合としても推薦できることを報告した。
 選挙の結果、得票数は松本氏が310票に対して、松原氏が64票。松原氏に一定の票が入ったことについて、松本氏は、「一定の批判票はあるのが普通。代議員の先生方がそれぞれの立場でお考えになった結果なので、私が評価する立場にはない」と述べた。
 松本氏は1954年生まれの67歳。浜松医科大学卒、埼玉県医師会所属。横倉義武会長の下で常任理事を6年間務めた。2017年7月から2021年10月まで、中医協委員を務めた。

副会長は茂松氏、角田氏、猪口氏
 副会長には、茂松茂人氏(大阪府医師会会長)、角田徹氏(東京都医師会副会長)、猪口雄二氏(全日病会長、日医副会長)、今村聡氏(日医副会長)の4名が立候補し、茂松氏、角田氏、猪口氏の3名が当選した。投票人数は375名(1名辞退)、投票総数は1,125票で、得票数は、茂松氏が265票、角田氏が250票、猪口氏が262票、今村聡氏が227票、無効票が0票、白票が121票だった。
 全日病会長の猪口氏は、中川執行部から引き続き副会長の任にあたる。猪口副会長は会見で、「二回目の副会長に選任された。松本新会長を支え、日医をより強固なものにするよう努力していきたい。病院団体をはじめ多くの医療関係職種との関係を密にし、日本の医療が本当によいものになるように、精一杯頑張る」と述べた。
 3名の副会長はいずれも職務担当として、「医療政策」、「医療保険」を担うが、猪口副会長は、ほかに「税制」、「医療機関経営」、「勤務医」、「病院」、「有床診療所」、「医師の働き方」、「医事法制」などを担当する。
 常任理事は、松本氏のキャビネットで立候補していた神村裕子氏ら10名に決定。松原氏の推薦候補である玉元弘次氏が辞退したため、選挙は行われなかった。
 松本会長は、「日医の力をもう少し十分に発揮するためには組織力の強化が必要」と指摘し、常任理事の増員を検討する考えを明らかにした。「特に審議会の委員や民間の委員の依頼が非常に多く、常任理事に非常に負担がかかっている。常任理事を増やし、できた余力を組織力の強化や、政界・財界・関係団体とのコミュニケーションを図ることに力を注いでいきたい」と述べた。現時点での常任理事は下表のとおりとなっている。細川秀一氏と今村英仁氏、黒瀨巌氏が新任となっている。

「組織力強化」が喫緊の課題
 松本会長は、6月26日の代議員会で所信表明を行った。医師会運営に当たって、「地域から中央へ」、「国民の信頼を得られる医師会へ」、「医師の期待に応える医師会へ」、「一致団結する強い医師会へ」の4つの柱を掲げた。
 医師会の「組織力強化」を喫緊の課題として取り組むべき最重要事項の一つにあげ、「組織力強化のためには政財界との連携、行政との協議や折衝を充実させることで対外的な存在意義を高めることが重要」と強調した。その一環として、「常任理事の増員」を検討するため、「定款・諸規程検討委員会」を立ち上げる。
 会員増員に向けては、「卒後5年間の会費無料化」を図る。2015年度から臨床研修医の会費を無料化しているが、来年度から会費減免期間を医学部卒業後5年にまで延長し、会費を無料化するとした。あわせて6年目以降は、会費減免期間終了後も会員として定着してもらえるよう、「医師会組織強化検討委員会」を設置し、検討を進める。
 新型コロナ対応は、「今後も多くの医療機関に協力してもらうため、日医から地域医師会に情報提供を行うとともに、行政や各団体との連携に努める。感染症発生時の医療提供体制の確保は、まん延時の有事に向けて、地域の実情に応じた平時からの議論が重要だ」と、情報提供と連携強化を強調した。
 病床確保については、「公立・公的医療機関の協定締結の義務は、行政との十分な協議、連携に基づき実施されると思う。民間医療機関は地域の実情に応じ、設備やスタッフ数などの状況が理解された上で、協定の締結を含めて対応してもらうことになると考えている」と述べた。

 安倍晋三元総理大臣のご逝去を悼み、謹んでお悔やみを申し上げます。
 安倍元総理には、社会保障制度について大変深いご理解を示していただく中で、医療関係団体に対しても医療提供体制等についてご指導いただき、また親切丁寧にご相談にものっていただき、医療の発展のため多大なるご尽力を賜りました。
 改めて感謝の意と尊敬の念を表すとともに、安倍元総理のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
全日本病院協会
会長 猪口雄二

 

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  • [1] 2020.7.15 No.967

    2020/07/15 ...日本医師会は6月27日の定例代議員. 会で、役員選挙を実施。会長は中川俊. 男氏と横倉義武氏の選挙の結果、中川. 氏が当選した。中川氏が191票、横倉.

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