全日病ニュース
病院勤務の薬剤師への奨学金返済免除の制度化求める
病院勤務の薬剤師への奨学金返済免除の制度化求める
【四病協・総合部会】薬学部の卒前の病院実習見直しの必要性も
四病院団体協議会は9月28日に総合部会を開き、最近の医療行政などについて意見交換を行った。病院の薬剤師不足の現状を踏まえ、病棟薬剤師を増やす方策をめぐり議論があった。総合部会終了後の会見で、議長の日本医療法人協会の加納繁照会長は、四病協として、奨学金を受けて大学薬学部を卒業した薬剤師が病院に勤めた場合に、奨学金返済を免除する仕組みの制度化を働きかける姿勢を強調した。
一方、政府の地域医療介護総合確保基金では、「医療従事者の確保に関する事業」を実施している。その中で、「地域包括ケアの拠点となる病院・薬局における薬剤師の確保支援」も対象事業となっている。
その事業では、「都道府県が認めた薬剤師が不足する地域に所在する医療機関等を勤務地として、一定期間の勤務を修学資金返済義務免除要件としている」場合に、基金を薬剤師修学資金貸与事業の経費として活用することができる。
加納議長は、「現状ではいくつかの県で実施されている事業にとどまっているが、厚生労働省はこの事業の活用を全国に広げることに前向きであるときいている」と発言。このような基金事業を全国的な取組みにすべきとの考えを示すとともに、病院に勤務した場合に奨学金を免除する独自の仕組みの制度化を求めた。
また、薬学部が6年制となり、病院実習11週間が義務付けられているにもかかわらず、実習先の選定が不透明であることを含め、薬剤師が病院に勤務したいと思う動機を得にくい状況になっているとの指摘があることに懸念を表明。卒前の病院実習の見直しの必要性にも言及した。ただ、所管が厚労省ではなく、文部科学省となるため、働きかけが複雑になっている状況も指摘した。
全日病ニュース2022年10月15日号 HTML版
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