全日病ニュース
第2期循環器病対策推進計画の策定に向け議論
第2期循環器病対策推進計画の策定に向け議論
【厚労省・循環器病対策推進協議会】公立病院に偏重した集約化に懸念の声
厚生労働省の循環器病対策推進協議会(永井良三座長)は9月28日、第2期循環器病対策推進基本計画の策定に向けて、指標の更新や感染症拡大時の医療体制について議論した。
厚労省は循環器病対策推進基本計画の見直しに向けて、関係学会と団体から意見聴取した結果を報告。各学会・団体には、①循環器病に係る指標の更新②関係する諸計画との連携③感染拡大時でも機能を維持できる医療体制の整備―の3点について意見をきいた。
①「循環器病に係る指標の更新」に関しては、急性期病院における「リハビリテーション実施率」や「入院からリハビリテーション開始までの日数」、急性期病院から回復期病院への「転院待機日数」を指標に加えることが提案された。
回復期および維持期に関する指標としては、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士やリハビリテーション科の医師数を指標に加えるべきとの提案があった。
施設間の連携の状況をみる指標として、地域連携クリティカルパス利用件数や介護連携指導料、退院時共同指導料、脳卒中患者の障害者手帳診断書などを追加する提案が出された。
これらの意見を踏まえ、厚生科学研究の結果も考慮し、厚労省が今後、指標を整理する。その際には、「比較可能な数値」、「定義が明確で数値が算出可能」、「評価方法が明確」といったことに留意する方向。
②「関係する諸計画との連携」については、これまで医療計画や介護保険事業計画と連携する必要性が指摘されてきた。それに加えて、◇健康増進計画◇地域福祉活動計画◇障害福祉計画―との連携も必要との指摘があった。
③「感染拡大時でも機能を維持できる医療体制の整備」については、病院間連携の強化、ドクターヘリやドクターカーの活用などが指摘された。
感染症拡大時に、循環器疾患専門病院や脳血管疾患専門病院がその機能を捨てて感染症患者を受け入れる事態を避けるべきとの主張もあった。24時間365日の急性期対応を行うには、「施設の集約化が必要」との意見も出た。
これに対し全日病副会長の美原盤委員は、「地域医療構想では、民間病院ができないことを公立・公的病院が担うということだ。施設の集約化を行う際に、公立・公的病院に極端に偏重しないよう配慮してもらいたい」と要望した。さらに美原委員は、「循環器病の治療は時間との勝負」と述べ、集約化を行う際には救急搬送の時間も考慮する必要があると指摘した。
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