全日病ニュース

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コロナ病床確保事業の見直しで所見

コロナ病床確保事業の見直しで所見

【会計検査院】人員不足で受入れを断った医療機関を問題視

 会計検査院は1月13日、新型コロナウイルス感染症患者受入れのため、2020年度から実施している病床確保事業等の検査結果を公表した。新型コロナ患者受入れのための病床確保の補助金事業の実施状況を調査。病床を確保しても、看護師などが確保できずにコロナ患者の受入れを断っていた医療機関があることなどから、厚生労働省に対し、事業の見直しに関し、所見を示した。
 2020・2021年度の病床確保事業で補助金を受けていた496医療機関を検査(全3,483医療機関の14.2%)。確保病床の病床利用率が50%を下回っていた医療機関にアンケート調査を実施すると、看護師などの増員を見込んで、病床を確保したが、実際は想定した人数を確保できず、コロナ患者の入院受入要請を断っていたと回答した病院があった。
 また、実際の入院に伴う診療報酬額と病床確保料を比べると、医療機関によって大きな差があり、医療機関により「機会損失」を上回る病床確保料を受けている医療機関があり、その逆もあった。
 会計検査院はこうした調査結果を受け、厚労省に、「交付金は、確保病床の運用に必要な看護師等の人員が確保できているなど実際に入院受入体制が整っている確保病床を交付対象とするものであることを明確に定めるべき」と指摘した。また、看護師などの確保が困難になった場合には、医療機関と調整を行うことを都道府県に指導すべきとした。
 また、病床確保料の上限額の設定が適切であるかを改めて検証し、検証結果を踏まえた上限額や算定方法の見直しの検討を求めた。確保病床への病床確保料であれば、コロナ患者が実際に入院した場合の診療報酬、コロナ患者のために休止した病床の病床確保料であれば、休止前入院患者の診療報酬を参考にすることを提案した。
 この問題は、各都道府県庁から問い合わせが来ると考えられるので、十分に話し合いを行っていただきたい。

 

全日病ニュース2023年2月1日号 HTML版

 

 

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