全日病ニュース

全日病ニュース

ホーム全日病ニュース(2023年)第1028回/2023年3月15日号受審を契機に各職種が連携強化し安全で質の高い病院へ

受審を契機に各職種が連携強化し安全で質の高い病院へ

受審を契機に各職種が連携強化し安全で質の高い病院へ

【2022年度病院機能評価受審支援事業④ 第2回病院訪問支援】
病院機能評価委員会委員 看護担当サーベイヤー 柴田雅子

 2023年1月19日に診療担当の土屋繁之先生と看護担当の私とで訪問させていただきました。私は、看護担当として、状況確認した内容について報告させていただきます。
 今まで慢性期の病院でしたが、病院長の方針で急性期病院へと転換しました。そのため、稼働されていなかった手術室や中材の整備、病棟の変革など、いくつかの課題に取り組み、さらにコロナ対応など目まぐるしい中、スタッフは明るく働いている印象でした。看護師のみならず、社会福祉士と連携し、入院時の情報収集や病状説明等への同席など協力し情報共有していることがわかりました。現状では意思決定支援などきちんと行われているため、その内容を踏まえ、マニュアル整備が今後の課題です。
 訪問させていただいた急性期対応病棟では、点滴等や衛生材料が多くなり薬剤の配置や保管を変更し、またナースステーションや倉庫に収まらず、患者のスペースであるデイルームやスタッフルームまで内服薬や材料がおかれている状況でした。病棟は、一般病室とコロナ病室、感染症個室と病床数も多く、看護師の動線が長くなっています。そのため、ナースステーションまで戻るのが大変なため、倉庫にサブナースステーションの代替えとして、物品等がおかれていました。倉庫も複数あるため、定数の見直しを行い、整備されていくことを期待しています。薬剤に関しては、内服薬は薬剤師が関与していました。しかし注射薬は、定数が多く、定数管理も看護師でした。また数が多いために薬剤が混同して、戸棚や引き出しに入っているため、安全面では課題を感じました。今後薬剤師と協働し、定数の見直しや夜間の対応など検討されると良いと思います。輸液ポンプに関しては、未使用と使用済みが混在していること、臨床工学技士は透析が主たる業務で、病棟にある医療機器まで、手が回らないということでした。しかし、看護部では問題に感じているようで、使用した者は、臨床工学技士に点検してもらう、点検済みがわかるような表示をつけるなどの意見が出ていました。今後できる範囲で検討し、改善されることと思います。
 看護部では、臨床実践能力評価や看護師教育計画など今後、グループ内病院の情報をもらいながら整備していくと話していました。機能評価を受審することを機会に、看護部は動き出していました。
 各職種が部門だけの仕事ではなく、機能評価の受審を契機に連携を強化し、より安全で質の高い病院へとなっていくことを期待しています。しかし、マンパワーにも限界があり、工夫が必要です。そのために、私たちがお役に立てればと思っています。

 

全日病ニュース2023年3月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
本コンテンツに関連するキーワードはこちら。
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。