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ホーム全日病ニュース(2023年)第1028回/2023年3月15日号アドバイスにより病院機能評価の意図する全体像がみえた 第2回訪問を受けて

アドバイスにより病院機能評価の意図する全体像がみえた
第2回訪問を受けて

アドバイスにより病院機能評価の意図する全体像がみえた
第2回訪問を受けて

【2022年度病院機能評価受審支援事業④ 第2回病院訪問支援】
医療法人社団翔嶺館 札幌優翔館病院 院長 北川真吾

 受審支援モデルとして選定され4回目の投稿です。今回は、病院機能評価受審支援事業のアドバイザーの先生2名(診療領域、看護領域)の訪問を受けての内容となります。
 2回目訪問日程をご調整いただき、訪問日に向けて準備と再確認を行おうとした矢先に、厚生局適時調査の実地検査を行うという通知が届きました。コロナ禍で3年も外部の実地検査がなかった身としては、自らの仕事の振り返りを短期間にダブルで行うことになりました。日々、自らの振り返りを行っていれば良いことだと外部検査の前には毎度そう思いますが、日々の業務に忙殺されて…などと言い訳をしてしまいます。
 前日の厚生局適時調査も大きな指摘がなく終わることができましたが、気持ちを切り替えて病院機能評価のアドバイザー訪問の当日の朝を待ちました。
 初回の原稿にも記載しましたが、当院が建つ「茨戸地区」は、札幌市の北端に位置しており広大な平地に畑地と川がある牧歌的な風景が広がる地域です。大きな建物は、当院と高齢者介護施設があるのみです。札幌市中心部からタクシーで来られた訪問アドバイザーの先生たちは、当院に近づくにつれ変わる風景をどのようにお感じになったでしょうか。
 訪問当日のプログラムは、朝の早い時間に書類確認を終え、メインとして病棟ラウンドとケアプロセスの面接ロールプレイングを実施し、その後、講評及び質疑応答・意見交換という流れでした。事前提出書類では、自己評価でのアピールが不足しており、評価項目についてアドバイザーの先生から度々ご質問をいただきました。
 アドバイザーの先生が口にされていたのは、「通常の業務を行っていると●●●という場面が必ずあるはずです。そして、それを日々クリアしているはずです。それを明文化することが重要です。そこを記載してください」という言葉でした。「●●●」には色々な言葉が入るのですが、例えば「患者さんへの説明と同意」など確かに日々行っていることが改めて問われており、そのプロセスを誰が読んでもわかるように明文化することが、病院機能評価が目指しているものなのだと実感いたしました。特別なことではなく普段行っていること、患者さんの権利ってこういうものだよね…という漠然とした考え、実際に行っていることはさして難しくはないことです。ですが、これを平易で理解しやすくシンプルな表現で書き表すことの難しさを実感いたしました。
 また、別の場面では「病院の行動の軸にあるのは理念と方針です。何かの判断をするときには、必ず理念と方針に立ち返るはずです」ともおっしゃいました。そのようにお聞きすると、なるほどとバラバラだったものが繋がっていくような感覚になりました。
 また、病棟ラウンドでは、毎日そこで働いている我々には気が付かないことをきめ細やかにアドバイスいただきました。例えば、病棟に在庫している医薬品について、棚には医薬品名が記載されているのにその棚には該当の医薬品がないということがありました。恐らく当初は定数配置して管理されていたのであろうと思いますが、定数を見直したのか、たまたまなかったのか…なんとなく慣れてしまっていることやもの、それも記録がないのであれば、すなわちマニュアルが更新されていないということであると、マニュアルを更新することの大切さを理解できました。点と点が線になり、線と線が面になり、おぼろげながら病院機能評価が意図する全体像がみえてきたような気持ちになりました。
 ケアプロセス調査では、症例に対する説明や実際の電子カルテ上の見せ方などが準備不足な状態でした。だれが電子カルテを操作するのか、だれが説明するのか、当日の役割分担についてもアドバイスをいただきました。
 プログラムの最後の質疑応答の場面では、当院を出立する時間ぎりぎりまでご指導いただきました。第2回目の訪問アドバイスまでに書類関連の整備は少なくとも出来ていたように思いますが、その後にやるべきことが明確になりました。遠いところまでご足労いただいた土屋先生、柴田先生に感謝するとともに、コーディネートしてくださった全日病の事務局の皆さまにも感謝申し上げます。
 次回の訪問アドバイス、そして実際の訪問受審に向けて、職員一同で邁進してまいります。

 

全日病ニュース2023年3月15日号 HTML版

 

 

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