全日病ニュース
病院にとってのかかりつけ医機能の整理求める
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【社保審・医療部会】健保法等一部改正法案や新興感染症対応を議論
社会保障審議会・医療部会は2月24日、今国会に提出されている「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」や第8次医療計画における新興感染症対応をめぐり議論を行った。また、永井良三部会長(自治医科大学学長)が退任し、遠藤久夫・学習院大学教授が部会長に選出された。
今国会に提出されている健保法等一部改正法案には、医療保険制度や医療提供体制に関わるさまざまな改革が含まれている。その中に、かかりつけ医機能の制度整備がある。全日病副会長の神野正博委員は、「今回の法案のまさに一丁目一番地が、かかりつけ医機能の制度整備である」と改革の重要性を指摘した上で、厚生労働省に質問した。
神野委員は、「かかりつけ医機能は病院の機能でもある。厚労省の『地域完結型の医療・介護提供体制』のイメージ図では、今後の病院の類型が、(高度)急性期を担う特定機能病院、地域医療支援病院、紹介受診重点医療機関と、かかりつけ医機能を有する医療機関の二者択一になるようにみえる。どちらにも当てはまらない病院もあるように思うが、どのように整理するのか」とたずねた。
厚労省は、「かかりつけ医機能がどういった機能であるかは、今後の議論になるため、二者択一になるかということはまだ決められない」と回答した。
第8次医療計画における新興感染症対応については、神野委員が、協定締結医療機関に対して、都道府県からの要請後1~2週間をめどに即応病床を準備する対応が求められていることなどを踏まえ、「数パーセントの利益で運営している急性期病院が、新興感染症対応で平時から有事への切り替えが可能となるには、サージキャパシティを確保するための人材・ベッド・器材への十分な財政支援がないと難しい」と訴えた。
防衛費のため病院剰余金を納付
2023年度政府予算案において、国立病院機構から422億円、地域医療機能推進機構から324億円の合計746億円が、国庫納付金の納付の特例として、前倒しで国庫納付され、日本の防衛力強化のために使われることが報告された。「我が国の防衛力の抜本的な強化等のための必要な財源の確保に関する特別措置法」に基づくもので、病床確保料など新型コロナの補助金が、事業計画の想定を大幅に上回る剰余金を発生させ、独立行政法人に対する査定において、特例納付の対象となった。
委員からは、新興感染症対応などに必要な費用までが、返納されてしまう可能性があることへの懸念が出た。
全日病ニュース2023年3月15日号 HTML版
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