全日病ニュース
情報発信の機会を設け、病院の実態を知ってもらう
情報発信の機会を設け、病院の実態を知ってもらう
【都病協】医師の働き方改革の影響、過剰病床の実態、都内病院の経営状況を報告
全日病の猪口正孝常任理事が会長を務める東京都病院協会が6月19日に記者懇談会を開いた。病院経営の危機的な状況が続く中で、病院団体の意見を報道機関に円滑に伝えることを狙っている。今後、病院関連のデータがまとまった時や東京都に要望などを行う時に開催を予定しているという。
猪口会長は挨拶で、「医療費も医師も看護師も全体の中で3分の2ぐらいのボリュームを病院が占める(訪問看護の拡大などで看護師はそれより下回るようになったが)。それにもかかわらず、病院として情報発信する機会は多くない。記者のみなさんと顔の見える関係を作ることで、病院の実態を伝えたい」と述べた。
同日は、◇医師の働き方改革の影響◇地域医療構想や基準病床数の病床配分◇都内病院の運営状況をテーマに報告を行った。
医師の働き方改革が4月に実施された。救急出動件数が落ち着いていることもあり、現時点で東京都の救急受入れが逼迫しているといった状況は起きていない。しかし、これから熱中症が増加していくこともあり事態の推移を注視するとの姿勢が示された。
地域医療構想や基準病床数の病床配分については、大都市東京に特有の不整合が生じている状況が説明された。東京都には12の二次医療圏があるが、患者の移動を考慮すると、実質的に一つの医療圏に近い。病床の過不足は二次医療圏ごとに判断されるが、東京都はそもそも区中央部、区西部等を合わせて9,043床の過剰病床がある。個別の二次医療圏の不足に対応するために病床を増やすと、全体としての過剰病床に拍車をかける。その結果、人材獲得の過当競争がさらに過熱し人件費が増大するなどの弊害が生じている。
この問題の解決のため、国が制度的対応を行わない限り、東京都独自の経営支援が必要であるとし、小池百合子東京都知事に要望を行っている。
都内病院の経営状況については、新型コロナの補助金や診療報酬特例の段階的解消などにより、2023年度になって病院の収支がさらに悪化し、5割前後の病院が赤字になっていることが報告された。
費用増加の要因の一つとして、人材紹介会社の利用を取り上げた。都内病院への調査で、◇大学病院を除くとほぼ9割が人材紹介会社を利用したことがある◇看護師の人材紹介が6割で最も多い◇紹介手数料は医師が336万円で最も高い─などの結果が出ている。一方で、紹介された人材の定着率が低いなどサービス満足度は高くなく、総合満足度が「やや不満」「不満」を合わせると7割に達している。
全日病ニュース2024年7月1日号 HTML版
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[1] 病床不足地域とみなされる二次医療圏に病院団体から危機感|第 ...
https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20240415/news07.html
2024/04/15 ... このような状況が放置されれば、不必要な過当競争を引き起こす可能性が ... 逆に、既存病床数が基準病床数を下回り、病床不足の地域とみなされれ ...
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[2] 2024.4.15 No.1053
https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2024/240415.pdf
2024/04/15 ... 放置されれば、不必要な過当競争を引. き起こす可能性が生じるとともに ... 逆に、既存病床数が基準病床数を下. 回り、病床不足の地域とみなされれ ...
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[3] 全日病ニュース 2015年06月15日号
https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2015/150615.pdf
2015/06/15 ... ・病床数が50∼150床規模のものが多. く、医療機関当たりの医師数や ... 具体的には、過当競争. の診療科から不足する診療科に転科を. 促すための ...
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