全日病ニュース
医療DX推進体制整備加算の実績要件で意見分かれる
医療DX推進体制整備加算の実績要件で意見分かれる
【中医協総会】病床機能の転換を理由にDPC制度から4病院が退出
厚生労働省は7月3日の中医協総会(小塩隆士会長)に、地域包括医療病棟などへの転棟を理由にDPC制度から退出する4病院を報告した。4病院は、医療法人うえの病院(福岡県)、公立つるぎ病院(石川県)、社会医療法人財団天心堂へつぎ病院(大分県)、いちき串木野市医師会立脳神経外科センター(鹿児島県)。退出はいずれも2024年10月1日付けとなっている。
また、医療DX推進に関連する診療報酬上の評価を議論した。
2024年度診療報酬改定で新設した医療DX推進体制整備加算の施設基準には、マイナ保険証利用の実績要件がある。9月30日まで経過措置があり、10月以降は経過措置が切れるため、実績要件を設定する必要がある。
中医協は6月に13病院、10医科診療所、10歯科診療所、11薬局開設者にマイナ保険証の利用実態に関するヒアリングを実施。その結果を踏まえ、実績要件を議論した。
ヒアリングによるマイナ保険証利用率は、病院で最低0.3%、最高72%、診療所で最低0.1%、最高83%であった。
また、5月の全国平均は7.73%。地域のばらつきが大きく、都道府県別では、上位5県が、富山県(12.52%)、石川県(12.17%)、鹿児島県(11.98%)、福井県(11.63%)、新潟県(11.03%)。下位5県が、沖縄県(3.42%)、和歌山県(5.02%)、愛媛県(5.44%)、愛知県(5.84%)、青森県(5.99%)となっている。
ヒアリング結果では、マイナ保険証利用が進んだ事例について、「現行の保険証で受付をした患者に電子カルテを覗いてもらい、ご自身の薬剤情報、特定健診の情報が確認できず、診療に活用できないことを説明すると効果的」、「長期間にわたり患者へ声掛けをしているのが、利用率向上につながっている」などの意見があった。
利用が進みにくい事例としては、「高齢者は独自での操作が難しく、使ってもらう際も介助・説明が必要」、「カードリーダーが読み取りエラーを起こしてしまい、患者がマイナ保険証の使用に嫌気が差してしまう」などの意見があった。
これらを踏まえ、日本医師会常任理事の長島公之委員は、「マイナ保険証利用の裾野を広げることが第一。医療機関間のばらつきも大きい。実績要件は『低い利用率』とすべき」と主張した。一方、健康保険組合連合会理事の松本真人委員は「マイナ保険証活用に消極的な医療機関が取る加算ではない。『高い利用率』とすべき」と述べた。
12月2日の健康保険証の発行終了に伴う医療情報取得加算の取扱いも議論。松本委員は「廃止」を主張し、長島委員は「到底受け入れられない」と強調した。日本医療法人協会副会長の太田圭洋委員は、医療DX推進体制整備加算が初診時のみの加算であることを指摘し、再診時の算定がある医療情報取得加算の存続を求めた。
全日病ニュース2024年7月15日号 HTML版
-
[1] 病院のあり方に関する報告書
https://www.ajha.or.jp/voice/pdf/arikata/2021_arikata.pdf
公益社団法人全日本病院協会(以下:全日病)は、「関係者との信頼関係に基づいて、. 病院経営の質の向上に努め、良質、効率的かつ組織的な医療の提供を通して、社会の健康.
-
[2] 2024.2.15 No.1049
https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2024/240215.pdf
2024/02/15 ... 「救急搬送診療. 料」は併算定できない。特定機能病院. や急性期一般入院料1を届け出ている. 医療機関で算定されることが想定され.
-
[3] 特定除外に該当する入院患者実態 調査結果
https://www.ajha.or.jp/topics/4byou/pdf/131007_4.pdf
2013/09/18 ... 中医協では入院医療等の調査・評価分科会を設置し、2012 年度に一般. 病棟入院基本料 7 対 1、10 対 1 を算定する病院を対象として長期入院の実態調. 査を ...
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。