全日病ニュース

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「保険料上昇は賃上効果を相殺する」と医療費削減を求める

【経済財政諮問会議】

「保険料上昇は賃上効果を相殺する」と医療費削減を求める

 2月12日の経済財政諮問会議は「中長期の経済財政の展望と財政健全化」をテーマに議論した。
 同日の閣議では「2015年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」が決定され、20年度の基礎的財政収支(PB)黒字化に向けて、経済再生と財政健全化の具体的計画を2015年の夏までに策定することが決まった。
 これを踏まえ、諮問会議には「中長期の経済財政に関する試算」が示され、20年度のPBは、経済成長による税収増によって、昨年夏試算の対GDP比-1.8%から-1.6%程度に改善されるという予測が示された。
 この試算で、社会保障関係費に関しては、15年度の31.5兆円から20年度には37.2兆円に、約5.7兆円増えると想定された。
 この日の諮問会議で、民間議員は「PB対GDP比を2020年度までの5年間で2015年度比3.3%程度改善する」ことを提言、歳出改革に強く取り組むことを政府に求めるとともに、「医療費全体の適正化・抑制は待ったなしの重要政策課題」と論じた。
 民間議員の主な視点は、賃上効果を相殺させる健保の保険料引き上げの回避である。
 ある民間議員は、「賃上げを一生懸命しているのに、保険料が増えると実質賃下げになってしまう。社会保障の削減と医療費のカットをしていくことが、賃金を上げていくためにも重要である」と、率直な心情を吐露した。