全日病ニュース

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地域医療支援病院 新承認要件決まる。4月1日に施行

地域医療支援病院
新承認要件決まる。4月1日に施行

【特定機能病院・地域医療支援病院のあり方検討会】
新要件を満たさない病院は改善計画を策定して2年間猶予

 

 12月25日に開かれた「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」は、特定機能病院と地域医療支援病院の承認要件見直し案(中間とりまとめ)を了承した。
 事務局(厚労省医政局総務課)は見直し案をパブリックコメントにかけた上で確定させ、省令改正と関連通知の発出を行ない、新たな承認要件を4月1日に施行する方針。厚労省は、引き続き、法改正を視野に、両類型に関するあり方の議論を進めていくとしている。
 今回の改正で、特定機能病院には「特定領域に特化した特定機能病院」が制度化される。当初案にあった更新制度は見送られた。
 地域医療支援病院は紹介率から救急搬送患者数が外され、独立要件となった。救急搬送患者数については「基準値を満たしていない場合でも都道府県知事が認めた場合は承認可能」と例外要件が設けられた。また、地域医療支援病院における第3者評価受審が努力義務化された(特定機能病院も同様)。
 そのほか、承認後のフォローアップ強化として、①地域医療支援病院の年次報告書の確認等を行なうこと、②基準を満たしていない場合は2年程度の改善計画策定を求める、③それによっても改善が図られない場合は承認取消を含めて取扱いを検討すると、新要件にともなう経過措置が盛り込まれた。
 この経過措置に関して、1月21日の全国厚生労働関係部局長会議(厚生分科会)で、原医政局長は別掲資料のとおり説明、各都道府県の担当者に留意を求めた。

□地域医療支援病院承認要件の主な見直し事項

○紹介率等:紹介患者への対応と救急患者への対応を同一の算定式で評価していたものを別々に評価する算定式に見直すとともに、基準値を厳格化
【新基準】
算定式 紹介率=紹介患者数/初診患者数、逆紹介率=逆紹介患者数/初診患者数 
※新基準の初診患者数は救急搬送患者を除く。
基準値 紹介率80%以上、又は紹介率65%以上かつ逆紹介率40%以上、又は紹介率50%以上かつ逆紹介率70%以上
(既存地域医療支援病院の適合率は83.2%)
○救急医療の提供:救急搬送患者の受入れを要件化。
【新基準】原則として下記のいずれかを満たすこととする。
 〈要件1〉救急搬送患者数÷救急医療圏人口×1000≧ 2 (適合率71.1%)
 〈要件2〉当該医療機関の年間救急搬送患者の受入数≧1,000 (適合率73.6%)
※救急搬送患者:地方公共団体又は医療機関に所属する救急自動車により搬送された初診患者(搬送時間は問わない)。
 ただし、救急搬送患者数の基準値を満たしていない場合であっても、都道府県知事が適当と認めた場合には承認可能。
○地域の医療従事者に対する研修を年間12回以上主催する(適合率74.9%)。

□新たな承認要件の取扱い(経過措置)等について(全国厚生労働関係部局長会議・厚生分科会の資料から)

○各都道府県における取扱い地域医療支援病院の2014年4月1日以降の取扱いは以下を参考に対応を願いたい。
①新たに承認申請があった場合の取扱い:新たな承認要件に基づき、承認の是非を判断
②既に承認を受けている病院の業務報告(14年10月)の取扱い様式/新たに定める厚生労働省様式例を参考に各都道府県で作成業務報告の取扱い/新たな承認要件の一部を満たさない場合には以下の対応を行なう
1)満たさない基準について、2年程度の期間の改善計画を策定し、業務報告と併せて都道府県へ提出するよう当該病院に依頼
2)改善計画を参考とし、必要に応じて、都道府県医療審議会等で審議することなお、16年の業務報告等で、改善計画によってもなお改善が図られない場合には、必要に応じて、地域医療支援病院の承認の取扱いも含めて検討されたい。
③承認後のフォローアップ:業務報告のみで評価するのではなく、必要に応じてヒアリングや現地調査の実施等の検討