全日病ニュース

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四病協総合部会 14年度改定に疑問と懸念相次ぐ。「まさにマイナス改定だ」

四病協総合部会
14年度改定に疑問と懸念相次ぐ。「まさにマイナス改定だ」

 

 四病院団体協議会は2月26日の総合部会で2014年度診療報酬改定の結果について意見を交わしたが、「大変厳しい内容。まさにマイナス改定だ」と嘆じる声も聞かれるなど、否定的な評価に終始した(4面5面に改定内容の続報)。
 「医療法改正による対応に先駆けて」(改定基本方針)機能分化に取り組んだ今改定に「社会保障制度改革国民会議に沿った内容そのものだ」という声があがったように、各団体とも、一体改革が本格的に始まったと受け止めている。
 改定内容は通知を待たないと具体的なことは分からないとしつつも、各団体は、「現場に大きな影響を与えるのは必至だ」「見直しの内容に疑問と懸念がある」など、とくに重視する改定項目を取り上げ、意見を表明した。
 もっとも激震となる「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」に関しては、自院を例に「該当患者の率は16%から13.5%に減ってしまう」との報告が示され、見直し効果がきわめて大きいことがあらためて明らかにされた。
 ただし、「重症度が医療の質に結びつくとは思えない」と、その効果を疑問視する意見もあった。
 いわゆるスーパーICU(特定集中治療室管理料1または2)については、「20m2要件をクリアすべく廊下の改修を検討している大規模病院がある。年間1.5億円の増収という」例を紹介し、高度急性期を目指す動きが地域医療に与える影響を懸念した。
 救急医療管理加算「その他」該当患者の50%減算によって「2次救急の各病院は2,000万円から3,000万円の減収になる」と報告した役員は、2次救急が評価されなかった今改定に強い疑問を投げかけた。
 受皿として期待される地域包括ケア病棟に対しても、「患者は重い病態で7対1からくる。それを60日で帰すのは難しい。理念は分かるが要件が現実的ではない」「一見高い点数だが、意外としばりが多い。届け出は簡単ではない」「在宅の救急患者に、包括でどこまで対応できるか疑問だ」など、厳しい意見が相次いだ。
 主治医機能を評価する地域包括診療料には、「要件が破格。これでは病院は参入できない」と否定的な見方が示された。
 こうしたミスマッチは7対1の在宅復帰率にも言え、「対象が慢性期の強化型等に限られると意外とクリアは大変ではないか」との指摘も出た。
 厳しい声は、「新設項目はどれも要件が厳しくて取れない。自院の試算は-1.2%だ」と精神科からも出た。
 在宅では、在医総管や特医総管における同一建物の75%減算に、「まじめな在宅医は途方にくれている」との声も。こうした極端な振れ方は現場を疲弊に追い込む。
 診療報酬に詳しい役員の1人は、「7対1の絞り込みや在宅の75%減算など、梯子がはずされるケースが少なくない。現場への影響を考え、診療報酬に継続性を貫いてほしい」と指摘した。
 こうした意見に同調、「妥結率に満たない減算やDPCの指導医療官派遣の評価など、本来の診療報酬と関係のない措置が入ってくるのはいかにもおかしい」と、今改定の特異性に疑義を示す意見もあった。