診療実践コース一覧

診療実践コース一覧(22回)

診療実践
コース名 講師 目標
臨床推論・EBM 原田 侑典(獨協医科大学総合診療医学) 南郷 栄秀(聖母病院総合診療科) 【臨床推論】
・臨床推論における仮説生成の方法を知り、実践できる
・臨床推論における仮説検証の方法を知り、実践できる
・臨床推論におけるAIの利用方法を知る
・臨床推論における多職種連携について知る
・臨床推論における振り返りの重要性について知る
【EBM】
・原著論文や診療ガイドラインを鵜呑みにせず批判的に読み、患者の診療に役立てることができる
・エビデンスに基づいた適切な治療を考え、処方薬の整理ができる
T&A(triage&action)コース救急初療(病院版) 斎藤 裕之(山口大学医学部附属病院総合診療部) 山畑 佳篤(京都府立医科大学 救急・災害医療システム学) ・病院救急部門において遭遇頻度の高い症候(頭痛、胸痛、腹痛、痙攣など)に対して見逃してはいけない疾患を想起できる
・病院救急部門において遭遇頻度の高い症候に対して診療最初の10分間を適切にマネジメントできる
・救急初期対応に関して知識として持ち合わせていることを、シミュレーション実習を通じてできるようになる
小児T&Aコース 茂木 恒俊(久留米大学医療センター 総合診療科) ・子どもの全身状態を判断する際に、何を確認するべきか理解でき、実践できる
・全身状態の異常を判断した際に行うべき初期対応を適切に行うことができる
・小児科医へ紹介・コンサルトが必要な状態を判断し、連絡する際に伝えるべき重要な項目が理解できる
・自宅での経過観察が可能と判断できる軽症疾患に対するマネジメントをガイドラインや地域・組織の現状に合わせて行うことができる
・患児の家族に対して、適切なホームケアを説明することができる
T&Aコース(マイナーエマージェンシー) 松原 知康(東京都健康長寿医療センター) ・遭遇頻度の高い外科系救急疾患の緊急度を適切に把握し、専門科への相談の必要性やタイミングを判断できる
・簡単な処置ののち自宅での経過観察が可能な軽症外科系救急疾患のマネジメントを地域・組織の現状に合わせて行うことができる
生活習慣指導(行動変容含む) 菅家 智史(福島県立医科大学医学部 地域・家庭医療学講座) 藤谷 直明(大分大学医学部附属病院総合診療・総合内科学講座) ・喫煙・食事・運動について患者の行動変容を促す面接を実践できる
・喫煙・食事・運動について確認し、話し合うべき内容を知る
・患者の行動変容への準備段階を評価できる
・行動変容において効果的な面接法を知り、実践できる
地域包括ケア実践 大橋 博樹(多摩ファミリークリニック) ・地域包括ケアの概要と将来の予測像を理解し、 退院後の生活を考慮したマネジメントを多職種で連携して行うことができる
・事前指示とアドバンス・ケア・プランニング(ACP) の違いを理解し、患者側・ 医療側双方の価値を考慮した意思決定支援を行うことができる
リハビリテーション 鵜飼 万実子(亀田ファミリークリニック館山) ・一般内科・地域包括ケア病棟において頻繁に遭遇する疾病・障害に対して、病院総合医として必要な領域に特化した評価・訓練・全身管理のポイントを学ぶ
・対象疾患としては、認知症などの神経変性疾患に伴う誤嚥性肺炎、サルコペニア・フレイルのある患者の骨折、低栄養患者の内部障害(心不全やCOPDなど)をテーマとする予定
・その他、リハビリ処方箋の作成のポイント、3療法士の特徴、装具・歩行器の選択などのレクチャーも予定
循環器 渡辺 重行(水戸協同病院) ・胸部症状を訴えて受診した患者に対して、病歴聴取から診断名を絞り込み、適切な対応が取れる。
・心電図を適切に読影し、重要な疾患を適切に拾い上げ、また、緊急性のある疾患を診断し、専門医につなぐまでの応急治療ができる。
・高血圧を指摘された患者に対して、適切に評価でき、必要に応じ適切な降圧薬選択により、継続的フォローアップができる。
・動悸を訴える患者を適切に診断し、また、頻脈のおおよその心電図診断ができ、内服治療、あるいは適切な紹介ができる。
・脚ブロックや期外収縮などを適切にフォローまたは紹介ができる。
・心房細動患者を適切に診断評価し、リズムコントロール、レートコントロール、抗血栓療法を適切に選択し、継続管理できる。超高齢者への抗凝固療法を適切に判断できる。
・呼吸困難あるいは浮腫を主訴とする患者に対し、心不全の有無を適切に診断し、その初期評価と初期治療ができ、適切な紹介ができる。HFpEF、HFrEFを適切に紹介できる。また、終末期重症心不全や低血圧を伴う心不全例を含め、慢性心不全患者の適切な継続治療ができる。
・虚血性心疾患患者、末梢動脈疾患患者の適切な慢性管理ができる。CTでの冠動脈石灰化例を適切に扱うことができる。
呼吸器 長尾 大志(島根大学医学部附属病院病院医学教育センター) 宮上 泰樹(順天堂大学総合診療科学講座) 近藤  猛(名古屋市大学医学部附属病院 総合診療科/卒後臨床研修キャリア形成支援センター) 長野 広之(京都大学大学院医学研究科医療経済学分野) 瀧藤 重道(グラムスキー薬局) ・発熱と咳嗽で来院した患者に対して、尤度比を意識しながら肺炎の診断を行い、起因菌を想定しつつ、適切な抗菌薬選択を行うことができる
・喘鳴で来院した患者に対して、喘息およびCOPDの診断を適切に行い、さらに急性増悪に関する初期治療を行うことができる
・喘息とCOPDにおける慢性期管理の概要について説明することができる、とくに、最新のエビデンスにも習熟しつつ、吸入デバイスの使い分けも説明することができる
・遷延性咳嗽、慢性咳嗽を主訴に受診した患者に対して問診、身体診察、画像検査などから鑑別診断をあげ、適切な診断、治療ができる
消化器 松口 崇央(北九州市立医療センター) ・消化器領域のcommonな問題に対して適切に対応できる。
・偶発的に見つかる肝胆膵系の以上に対して、適切なフォローまたは専門医への相談ができる。
代謝内分泌(糖尿病) 雨森 正記(弓削メディカルクリニック) 三澤 美和(大阪医科薬科大学病院 総合診療科) ・健診ではじめて高血糖を指摘された患者の適切な診断と合併症の評価を行い、自ら食事・運動指導ができる
・適切な経口糖尿病薬の導入・変更ができ、インスリン自己注射の手技の指導ができる
腎・泌尿器 須藤 博(大船中央病院) 松木 孝和(松木泌尿器科医院) 【腎臓】
・健診で発見される血尿・蛋白尿などの尿異常の対応ができる
・慢性腎臓病(腎機能異常)の初期対応と専門医への適切な紹介ができる
・腎機能に配慮した薬の使い方ができる
【泌尿器】
・プライマリ・ケア外来で相談を受ける可能性のある症状(頻尿・夜間頻尿・尿失禁・血尿など)に何らかの対応ができるようにする
・一般的な、頻度の高い泌尿器科疾患を理解して対応できるようにする
・悪性腫瘍などの、頻度は少ないが見逃してはいけない泌尿器科疾患診療のコツを理解する
神経 井口 正寛(福島県立医科大学神経内科) ・外来で遭遇頻度の高い主訴である“頭痛”、“しびれ”、“震え”に適切に対応し、専門科への相談の必要性やタイミングを判断できる
・片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛、末梢神経障害、パーキンソン症候群を見逃さない
・脳卒中、てんかんの初期対応ができる
・神経疾患の鑑別に必要な最低限の神経所見をとることができる
血液・膠原病 宮崎 仁(宮崎医院) 佐田 竜一(大阪大学大学院医学系研究科・医学部 変革的感染制御システム開発学) 【血液】
・血液内科を専門としない臨床医が、外来や病棟で日常的に診ている血液疾患と検査値異常に対して、非専門医でもできる問診、診察、外注を含む臨床検査のみで、適切なアセスメントとマネジメントができるようになる
【膠原病】
・関節痛に対して、適切な診察と鑑別診断を立てられる
・各種自己抗体についての最新の知識に基づき、適切に検査すべき項目を選択し、結果を解釈できる
・適切な副作用対策をしながらステロイドの長期投与ができる
感染症 忽那 賢志(大阪大学 感染制御学) ・微生物検査(グラム染色、血液培養など)の有用性を理解し、具体的に活かすことができる
・empiric therapyとして適切な抗菌薬を選択し、感受性検査結果に基づいたde-escalationを行うことができる、また抗微生物薬の使いどころや使うべきでない状況を判断できる
・非専門医による日常外来において、頻度の高い感染症に対して病歴聴取・身体診察を行い、適切なマネジメントを行うことができる
小児科 高村 昭輝(富山大学医学教育学) 山本 正仁(長浜赤十字病院) ・重症度、緊急度が高くないとトリアージされた、よくある小児の症候を救急外来や急病診療所でマネジメントできる
・科学的根拠に基づいた病状説明で保護者を安心させられる
・3日続く発熱でも安易に小児科に紹介しなくても対応できる
・嘔吐のときに何とか点滴しないで乗り切ることができる
・痙攣が止まっている場合の、こわいときとこわくないときが判断できる
・子どもの効果的な診察のコツとよくある疾患
整形外科 仲田 和正(西伊豆病院) ・一般救急外来の現場で、整形外科外傷に対して適切な初期対応を行うことができる
・非専門医による日常外来において、頻度の高い膝・肩・腰の症状に対して病歴聴取・身体診察・画像評価を行い、適切なマネジメントを行うことができる
産婦人科 柴田 綾子(淀川キリスト教病院 産婦人科) ・女性の腹痛や更年期障害に対して、産婦人科へのコンサルトのタイミングがわかる
・緊急避妊ピルや低用量ピルを処方できる
・妊婦や産後の患者に対して安全に薬を処方できる
耳鼻科 高橋 優二(井上病院総合内科) ・一般外来や救急外来で遭遇する耳鼻咽喉科領域のcommon diseaseを認識し、適切な初期対応ができる。
・耳鼻咽喉科領域の緊急疾患を認識し、専門家へ迅速かつ適切な紹介ができる。
皮膚科 田口 詩路麻(水戸協同病院皮膚科) ・一般外来の現場で、皮膚救急疾患に対して適切な初期対応を行うことができる
・非専門医による日常外来において、頻度の高い皮疹・皮膚疾患に対して病歴聴取・皮疹記載・検査を行い、適切なマネジメントを行うことができる
・ステロイド軟膏を中心とする外用薬の使い方の基本を学び、積極的に処方できるようにする
・病棟で日常的に遭遇・相談される皮膚疾患に対して、とくに褥瘡処置などの基本を習得する
精神科 今村 弥生(杏林大学医学部精神神経科) ・プライマリ・ケア領域でも遭遇しうるcommonな精神症状としてのうつと不安・せん妄・身体症状症に適切な対処ができるようになる
・プライマリ・ケア領域では対処困難な精神疾患を持つ患者を早期に判断し、一人で抱え込む前に専門家へつなぐことができる
・人生相談的精神療法がある程度できるようになる
・治療を拒否する患者への対応についての法的事項(精神保健福祉法)について部分的に理解する
・精神科領域の苦手意識が減り、他の非専門領域と同じテンションで対応することができる
認知症 藤谷 直明(大分大学医学部総合診療・総合内科学講座) ・非専門医による日常外来で認知症が疑われる患者を拾い上げ、treatable dementiaの除外、認知症の種類、BPSDの有無を含めて適切な初期評価ができる
・典型的な認知症に対して、標準的な薬物療法および非薬物療法を実施するとともに、本人および家族に対して適切な療養指導ができる
・家族や専門医、他職種と連携して、心理社会的状況や介護サービスなども考慮した包括的な認知症ケア(BPSDへの対応を含む)を提供し、運転免許の問題や終末期についてもともに取り組み、最後まで主治医でいることができる