全日病ニュース

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「予算編成の基本方針」改定の記述を「抑制」から「適正評価」へ修正

 

「予算編成の基本方針」改定の記述を
「抑制」から「適正評価」へ修正

【2014年度診療報酬改定】
西村内閣府副大臣は「基調に変化はない」と“後退”説を否定

 

 12月11日の中医協総会は2014年度診療報酬改定に対する意見をまとめた。意見書には、「マイナス改定とすべき」「全体(ネット)改定は必須であり、従来どおり薬価引下げ財源を診療報酬全体の改定財源とすべき」と、支払・診療各側の意見が併記された。
 14年度診療報酬の改定率は、12月24日とみられる予算編成が終わるまで予断を許さない厳しい情勢が展開されている。
 11月15日の経済財政諮問会議で、安倍首相は「14年度予算で講じる措置が新たな国民負担につながることは厳に抑制しなければならない」と発言、プラス改定を否定したと受け止められた。
 一方、財政制度等審議会が採択した「14年度予算の編成等に関する建議」(11月29日)は、①本体部分をマイナス改定とする、②薬価改定引き下げによる財源を本体部分の補填にまわさない、ことを求めた。
 これを受け、「14年度予算編成の基本方針案」(12月5日の経済財政経済財政諮問会議)には、14年度改定で「新たな国民負担につながることは厳に抑制する。薬価と診療報酬本体を一体としてみるのではなく、薬価は市場実勢価格を反映させるとともに、診療報酬本体も、これまで相対的に高い伸びを示してきたことを踏まえ、抑制する」と書き込まれた。
 しかし、そうした局面に転換の兆しが生じた。諮問会議が12月12日に答申、同日閣議決定された「14年度予算編成の基本方針」で、前出部分が次のとおり修正されたからだ。
 「消費税率引上げに伴う医療機関等のコスト増の問題に適切に対応しつつ、新たな国民負担につながらないように努める。しかし、医師不足など地域における医療に係る諸問題に的確に対応しなければならない。診療報酬本体と薬価のそれぞれについて真に必要な分野への重点的な配分を行う。(中略)診療報酬本体については、医療費の増加に伴う国民負担の増加を勘案しつつ、これまでの改定による影響なども踏まえ、適正な評価を行う」。
 この背景には、自民党所属国会議員からなる「国民医療を守る議員の会」が12月10日に採択した「平成26年度診療報酬改定に関する決議」と、これを受けた党内調整および官邸への強力な働きかけがある。
 もっとも、諮問会議後の会見で、西村内閣府副大臣は「『歳出改革』の『社会保障』前文に“新たな国民負担の発生を厳に抑制し”とあるなど、基調に変化はない」と述べ、“後退”説を否定した。
 その上で、「最終的には適正な評価を行なうということ、予算編成の中で判断をしていくということである」と、予算編成作業で政治決着に持ち込まれる可能性を示唆した。
 一方、消費税増税にともなう診療報酬上乗せ分の財源(改定率)に関しては、消費者物価への影響を加味した1.23%に対して、日医を初めとする医療団体は3%の引き上げ分をそのまま反映した1.36%を主張している。