全日病ニュース

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医療機能の基準 14年度から定量的指標の検討を開始。研究班で検討を進める

医療機能の基準
14年度から定量的指標の検討を開始。研究班で検討を進める

病床機能報告制度に関する「議論の整理」が公表

病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会「議論の整理」の概要
(7月29日公表)*8月1日号既報

Ⅱ. 病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方について
1. 医療機関が報告する機能について
○有床診所を含む医療機関は、一般病床及び療養病床について、各病棟が担う機能を以下から1つ選び、その「現状」と「今後の方向」を都道府県に報告する。医療機能を選択する判断基準は、報告制度導入当初は下記の定性的な基準を参考に選択する。
〈高度急性期機能〉
 急性期の患者に、状態の早期安定化に向けて診療密度が特に高い医療を提供する機能
〈急性期機能〉
 急性期の患者に、状態の早期安定化に向けて医療を提供する機能
〈回復期機能〉
 急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハを提供する機能。特に、急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頚部骨折等の患者に、ADLの向上や在宅復帰を目的としたリハを集中的に提供する機能(回復期リハ機能)
〈慢性期機能〉
 長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能。長期にわたり療養が必要な重度の障害者(重度の意識障害者を含む)、筋ジストロフィー患者又は難病患者等を入院させる機能
○医療機能と併せて、提供している医療等の具体的項目を報告する。
○「今後の方向」は「6年後の機能予定」とするが、来年や2年後といった比較的短期の変更予定がある場合も含む。2025年度時点の医療機能の予定も任意で報告できる。「今後の方向」の時点等は必要に応じて見直す。
○医療機能の基準については、平成26年度から病棟単位での定量的な指標策定の検討が進むように、厚生労働科学研究等において別途検討を進める。
2. 医療機関が報告する具体的な項目
○具体的な報告項目のうち、提供している医療の内容は診療行為に着目して項目を設定し、レセプトを活用して集計する。
○具体的な報告項目 (略)
○医療行為には様々な定義が考えられるが、項目について疑義が生じた場合は、適宜通知等で報告制度における考え方を明らかにする。具体的な報告項目は、必要に応じ、追加等を行うことができる。
3. 医療機関からの報告方法
(1)報告方法
【構造設備・人員配置等に関する項目】
 構造設備・人員配置等に関する項目は、医療機関で集計して国が整備する共通サーバーに送付、共通サーバーが整理を行なって都道府県に提供する。
【具体的な医療の内容に関する項目】
①レセプトの活用
 現行のレセプト様式には病棟情報(以下「病棟コード」)がないため、レセプトの診療行為レコードとして病棟コードを入力する。具体的には、医療機関はレセプト作成時に、病棟コードを付記し、当該レセプトにより診療報酬請求を行う。この病棟コードは、法令上のレセプト記載事項ではない。
②既存のNDBの枠組みを活用
○医療機関の側がレセプトに病棟コードを入力した上で、既存のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の枠組みを活用して、厚生労働省の側で、医療の内容に関する項目の集計作業を行なう。
○報告されたデータは地域医療構想の策定等のためにのみ利用される。
(2)上記方法での実施時期及び平成26年度の報告方法
 医療の内容に関する項目の上記の報告方法は、平成26年度の次の診療報酬改定に伴なうシステム改修と併せて実施する。したがって、平成26年度については、①構造設備・人員配置等に関する項目は病棟単位、②医療の内容に関する項目は病院単位、で報告する。
(3)具体的な項目の報告時期
①構造設備・人員配置等に関する項目
 病床機能制度の施行が平成26年10月1日であることから、平成26年度は、7月現在の状況を10月1日~10月末日までに報告する。
②医療の内容に関する項目
 平成26年度の報告データを用いて平成26年度中に地域医療構想のガイドラインの検討を行なうことから、医療の内容に関する項目も7月審査分のレセプトデータで集計する。
③通年又は複数月分のデータを集計することが望ましいが、制度開始初年度は7月審査分の1か月分で開始し、複数月分のデータ集計については改めて検討する。
4. 医療機関から報告する情報の公表のあり方
 公表のあり方については、①公表された情報は「協議の場」での協議にも活用し、地域医療構想の実現と関係があること、②実際の報告内容を見てどういう公表の方法が適当か検討する必要があることから、地域医療構想のガイドラインを策定していく中で検討する。