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医師臨床研修制度見直しで報告書

【医道審・医師臨床研修部会】第三者評価は努力義務に

　医道審議会の医師分科会医師臨床研修部会（國土典宏部会長）は３月８日、医師臨床研修制度の見直しについての報告書を大筋でまとめた。
　医師臨床研修制度は2004年度の制度発足後、概ね５年ごとに見直している。直近では、2016年にまとめた報告書を踏まえ、2020年度から制度を見直した。今回のまとめでは、前回の報告書で今後の課題に位置づけた項目について整理している。
　主な項目に、「臨床研修の到達目標、方略及び評価」、「臨床研修病院のあり方」、「地域医療の安定的確保」がある。このうち、「臨床研修病院のあり方」の「小児科・産科特別プログラム」と「臨床研修の質の維持・向上」をめぐって委員の間で議論があった。
　「小児科・産科特別プログラム」は、小児科医と産科医の不足の解消に向けて、募集定員が20名以上の基幹型病院に同プログラムを必置するというもの。ただ小児科・産科以外の診療科の医師が不足している地域もあり、同プログラムだけを義務とすることは整合性に欠けるとの指摘が出ていた。このため別の診療科に重点を置いたプログラムへの変更を可能とするべきとした。
　「臨床研修の質の維持・向上」については「第三者評価」の取扱いを議論した。現在、臨床研修病院に対しては、卒後臨床研修評価機構（JCEP）による第三者評価が行われており、2024年３月時点で、基幹型病院の約３割に相当する297病院が認定されている。
　第三者評価の義務化を求める意見もあったが、「努力義務」としつつ、研修費補助事業によりインセンティブを付与するとの表現に落ち着いた。日本医師会常任理事の釜萢敏委員や日本精神科病院協会副会長の森隆夫委員らが「努力義務」となったことを評価した。