全日病ニュース

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DPC別1日医療費から機能別病床数を推計

【医療・介護情報の分析・検討WG】

DPC別1日医療費から機能別病床数を推計

 政府の社会保障制度改革推進本部の「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」に付設された「医療・介護情報の分析・検討ワーキンググループ」の松田晋哉主査(産業医科大学医学部教授)は、11月11日の専門調査会に、WGにおける検討状況を報告した。
 「データに基づく医療機能別病床数の推計方法の検討」と副題がついた報告は、9月、10 月、11月の3回開いたWGの議論で合意された医療機能別病床数推計の方法と、今後の作業を、要旨、以下のとおり明らかにした。

医療・介護情報の分析・検討WGにおける検討状況

●全体の流れ
1. DPC・NDBを活用して、医療機能別の標準的なあるべき病床数の推計を各レベル(国、都道府県、2次医療圏)で実行する。
2. 病床機能報告制度のデータ(国、都道府県、2次医療圏)を集計する。
3. 1と2のデータの比較をデータブックで提供される各種データをもとに行ない、関係者の協議を経て、各レベルでの機能別病床の適正化の実現方法を協議する。
●現在の検討状況
・医療機能別病床数について、DPC別1日あたり医療費を使う方法により推計する方法を検討中
・各DPCの入院期間を1日当たり医療費を用いて、高度急性期・一般急性期・回復期・慢性期に区分
(1)DPC別1日あたり医療費の分布から基準コストを算出する。
①1日当たり出来高換算コストの分布(入院1日ごとに計算;入院期間の平均ではない)
②1日当たり平均出来高換算コストの入院後日数分布(DPCごとに作成)この作業をまずDPC病院について行なう。
(2)対象とする地域区分ごとにDPC病院における機能区分ごとの病床数を計算する。
 全国・都道府県・2次医療圏で、各DPCについて病床機能別の必要病床数を計算。これを全DPCについて行ない、合計すると、DPC病院における、全国・都道府県・2次医療圏各レベルの病床機能別必要病床数になる。
(3)DPC病院以外の一般病床のデータをDPCに変換して、同様の計算を行ない、DPC病院分と合算して機能別病床数を求める。
(4)将来推計の方法
 各年度の年齢階級別患者(国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口)を用いて将来推計を行なう。
●現在の状況・DPC、NDBデータを活用して、同様の検討を実施している。
― DPCデータ→ DPCごとの1日当たり出来高換算コストの分布を検討
― NDBデータ→ 非DPC入院レセプトについてDPCでコーディングを行ない、DPCごとの1日当たりコストの分布を検討予定(現在はデータの成形作業を実施中)
―将来推計の基本となる人口データの準備(全国・都道府県別・2次医療圏別)