全日病ニュース

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「HOSPEX Japan 2014」で全日病が公開セミナー

▲講演する布施明日本医科大学准教授

「HOSPEX Japan 2014」で全日病が公開セミナー

広報、人間ドック、救急・防災、プライマリ・ケア、介護保険制度の5委員会が担当

 全日病は、11月13日と14日の2日間、東京お台場の東京ビッグサイトで催された「HOSPEX Japan 2014」で公開セミナーを開催した。全日病のセミナーは今年で3回目。今回は全日病の5委員会が各講座を提供、展示会場に来場した医療関係者や一般市民が大勢参加、各講師の話に耳を傾けた。
 1日目の広報委員会企画は、国際医療福祉大学大学院の高橋泰教授が「人口減少社会に向かう日本の医療福祉の現状と将来予測」というテーマで講演。
 今後の人口構成等によって、市町村によって異なる医療・介護需要と勤務医配置数など格差を抱えた供給体制に直面する可能性を具体的に説明の上、日医総研の「都道府県別・二次医療圏別データ集」やJMAP(地域医療情報システム)の使い方を紹介しつつ、自院圏域の将来予測を把握して長期戦略を構築する必要を説いた。
 人間ドック委員会のセミナーでは、東海大学医学部教授で付属八王子病院健康管理センター長の高橋英孝氏が、「あなたの健康危険度を予測します」と題して、人間ドックにおける健康危険度評価(HRA)の現在と、その将来(健康危険度予測)について、分かりやすく解説した。
 2日目の救急・防災委員会企画では、全日病のAMAT(災害時医療支援活動班)の隊員養成研修を指導する日本医科大学(付属高度救命救急センター)の布施明准教授(東京都の地域医療災害コーディネーター)が登壇。
 AMATの目的・仕組みと特徴、東日本大震災以後に確立された現地医療支援体制の考え方、現地体制におけるAMATのポジションと役割など、AMATの背景となる状況を詳しく説明した上で、内容的にDMATに匹敵するAMAT隊員養成研修のプログラムを紹介した。
 プライマリ・ケア委員会によるセミナーは、丸山泉委員長が自ら講師を務め、「プライマリ・ケアにおける喫緊の課題とこれからの変化する医療の形」について講義。
 その中で、11 月5 日に公表されたOECDの医療のプライマリ・ケアに対する提言を詳しく紹介するとともに、プライマリ・ケアの専門医制度(総合診療医)の動きなどを解説した。
 最後に、介護保険制度委員会が企画したセミナーは、本庄弘次委員が、同委員会が行なった厚労省受託研究で現地視察したオランダとイタリアの認知症ケアの実態を、わが国の認知症施策と比較しつつ、明らかにした。