全日病ニュース
救急救命士のエコー検査実証について引き続き議論
救急救命士のエコー検査実証について引き続き議論
【厚労省・救急医療WG】安全性や実証の意義へ疑念の声
厚生労働省の救急医療の現場における医療関係職種の在り方に関する検討会ワーキンググループ(児玉聡座長)は3月7日、救急救命士のエコー検査の実証について議論した。前回に引き続き、岡山県吉備中央町と岡山大学病院が特区内での実証実施について承認を求めたが、委員は安全性への懸念や実証の意義に対する疑義を呈するとともに、実証計画のさらなる検討を求めた。
前回の議論を受け、吉備中央町はエコー検査の対象を「腹痛が主訴の傷病者」や「事故等により外傷が生じている負傷者」に限定。医師の責任の下、救急救命士がエコー検査を実施し、肝破裂や脾破裂等による腹腔内液貯留による出血や病変の有無を確認するものとした。さらに、エコーを実施することが困難な場合には、エコー検査を実施せず、通常の救急搬送時のプロトコールに従って対応するとした。
これに対し、多くの委員から安全性を懸念する意見があがった。
チーム医療推進協議会理事の深澤恵治構成員は、救急救命士のエコー検査の安全性に強い懸念を示し、実証実施について強く反対した。
日本看護協会常任理事の井本寛子構成員も、「実証の意義や効果が十分了解されない中での提案であり、納得できない」と述べた。
日本医療法人協会会長の加納繁照構成員は、「通常の救急医療では、二次救急で対応が難しい場合に三次救急に搬送する。あくまでもトリアージをいかに速やかにするかというのが最終的な目標であるならば、そのような(肝破裂等を起こしているほどの重篤な)症例の場合は、三次救急に迅速に運んだほうがよいのではないか」と指摘した。
日本救急医学会評議員の本多英喜構成員は、「『なぜエコーをしないと搬送先が決められないのか』という点を明確化すべき。根本的な問題として、一次診療、二次診療を含めて重軽傷者を受け入れる救急医療体制を整備すべきであり、そのほうが効率的ではないか」と主張した。一方で、「実証そのものを否定する考えではない」とした上で、まずは現場の救急救命士が伝送システムを使って観察初見を送り、医師の総合的判断の下、必要に応じてエコー検査を行うようプロトコールの変更を求めた。また、病院到着後には医師が必ずエコー検査を実施して再評価すべきとの認識を示した。
全日病ニュース2024年4月1日号 HTML版
-
[1] 保 医 発 0305 第 4 号 令 和 6 年 3 月 5 日 地 方 厚 生 ( 支 ) 局
https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2024/240306_21.pdf
2024/03/05 ... を算定する。 4 医療法(昭和 23 年法律第 205 号)に規定する病床に入院(当該入院についてその理由等は問.
-
[2] 医政発 0526 第9号 令和5年5月 26 日 別記団体の長 殿 厚 生 労 働 ...
https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2023/230529_5.pdf
2023/05/26 ... ・ 糖尿病足病変に対する専門的治療を行う医療機関数 ... )の標準的な活動内容を定めたプロトコール(活動基準)が策定され、 ... トリアージや救命処置等の ...
-
[3] - 1 - 保医発 0305 第6号 令和6年3月5日 地方厚生(支)局医療 ...
https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2024/240306_23.pdf
2024/03/05 ... なお、国立高度専門医療研究センター等で内部で権限の委任が行われている. ときは、病院の管理者が届出書を提出しても差し支えない。また、当該保険医療 ...
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。