全日病ニュース

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医療勤務環境改善マネジメントシステム指針案で意見募集

医療勤務環境改善マネジメントシステム指針案で意見募集

 厚生労働省は「医療勤務環境改善マネジメントシステムに関する指針案(仮称)」をまとめ、8月12日に意見募集にかけた。意見提出の期限は9月10日。
 「医療勤務環境改善マネジメントシステム」は、6月の国会で成立した医療介護総合確保推進法に盛り込まれた医療法改正事項の1つで、医療従事者の勤務環境改善のために各病院・診療所が自主的に進める一連の活動を枠組化したもので、努力義務とされている。
 指針は、「医療勤務環境改善マネジメントシステム」の有効な実施を図るためのガイドラインとなるもので、同システムの各段階で取り組むべき事項を示している。  

□指針案の主な内容

●改善方針の表明
 管理者は勤務環境の改善を通じて医療従事者の確保・定着や患者の安全と健康の確保を図ること、医療勤務環境改善活動を組織全体で実施すること等を表明、医従事者等に周知を図る。
●体制の整備
 多様な部門及び職種により構成される協議組織(安全衛生委員会等の既存組織を含む)の体制整備を行なう。
●現状分析
 管理者は、厚生労働省が定める手引書に示された手法等を参考に、勤務環境に関する現状を定量的・定性的に把握し、分析する。管理者は、分析結果を踏まえ、優先的に実施する措置を決定する。
●改善目標の設定
 管理者は改善目標を設定し、可能な限り一定期間に達成すべき到達点を明らかにするともに当該目標を医療従事者等に周知する。
●改善計画の作成
 管理者は、一定の期間を限り、改善目標を達成する改善計画を作成する。改善計画は、改善目標を達成する具体的実施事項、実施時期、実施の手順等を定めるもので、次の事項のうち、当該病院・診療所の状況に応じて必要な事項を定める。
・働き方、休み方の改善に関すること
・医療従事者の健康支援に関すること
・働きやすさ確保のための環境の整備に関わること
・働きがいの向上に関すること 等
●改善計画の実施
   管理者は改善計画を継続的に実施するものとし、改善計画の内容とその進捗状況を医療従事者等に周知するとともに、必要があるときは、改善計画を柔軟に修正する。
●評価及び改善
   管理者は、あらかじめ評価の実施手順と実施者を定める。評価の実施者は、改善計画の期間終了時にその実施状況と改善目標の達成状況を調査し、結果を管理者に報告する。管理者は、次回の目標設定と計画作成に評価結果を反映する等の必要な改善を行なう。
●医療勤務環境改善マネジメントシステムの見直し
 管理者は、評価及び改善の結果を踏まえ、定期的に、改善方針等の見直しを行なう。
●医療従事者の参画
 管理者は、改善目標の設定、改善計画の作成・実施、改善計画実施の評価と改善に際して協議組織の義を経るほか、医療従事者の意見を聴くこと等、医療従事者の参画を図る。
●都道府県による支援の活用等
 管理者は、上記に定めるもののほか、医療勤務環境改善マネジメントシステムの運用に当たっては、医療法第30条の15第1項に規定する都道府県の支援を活用するとともに、手引書等を参考に、当該病院・診療所の状況に応じた適切な措置を講ずるよう努める。