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ホーム全日病ニュース(2023年)第1030回/2023年4月15日号幅広い医療機関が対応する体制に移行

幅広い医療機関が対応する体制に移行

幅広い医療機関が対応する体制に移行

【厚労省・事務連絡】コロナの位置づけ変更で「病床確保計画」など見直し

 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策推進本部は3月31日、「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けの変更に伴う『病床確保計画』等の見直しについて」を事務連絡した。5月8日からコロナの感染症法上の位置付けが5類になることに伴い、3月10日に示された医療提供体制の移行・公費支援の具体的内容を踏まえ、都道府県のコロナの「病床確保計画」なども見直される。厚労省は、これまでコロナ患者を受け入れてこなかった医療機関を含め、幅広い医療機関で入院医療に対応する体制を求めている。
 「病床確保計画」では、コロナの位置づけ変更後も、感染拡大が生じることを想定し、あらかじめ都道府県と医療機関が感染状況に応じたフェーズを設定。コロナ病床を計画的に確保することを継続する。ただし、行政の関与を前提とした限られた医療機関による対応から、幅広い医療機関による自律的な通常の対応に移行する。事務連絡では、重点医療機関などは「重症者・中等症Ⅱ患者」に重点化し、病床確保によらずコロナ患者が受け入れられる取組みを目指すことを強調した。
 さらに、10月以降は、病床確保を要請しないことを想定し、入院調整を医療機関間で行う体制に移行する。5月8日以降の確保病床以外でのコロナ入院患者の受入れの状況を踏まえ、9月末に向けて、順次確保病床を減らしていく。協力医療機関は5月7日で廃止となる。

自院の患者は自院でコロナ対応
 事務連絡では、「入院体制関係」と「入院調整体制関係」について、以下のような「留意事項」を示している。
 都道府県は今後のコロナの入院患者数を推計。9月末までに減らしていく現行の確保病床と「コロナ受入れ経験がある医療機関」、「新たな医療機関」で、その入院患者数を受け止める。「入院体制関係」の「留意事項」では、10月までに、重点医療機関以外でも、コロナ入院患者の受入れ経験のある医療機関のすべてが、新たにコロナ患者の受入れを行うことが望ましいとした。
 一方、「新たな医療機関」では、コロナ以外の疾患が原因で受診・入院している患者が陽性であると判明した場合は、引続きその医療機関で可能な限り継続して治療を受けることを徹底することから始めるよう求めた。
 また、地域包括ケア病棟や地域一般病棟での受入れが今後の対応で期待されていることを踏まえ、高齢者施設などからの受入れを念頭に、その見込み数を設定するとの考えが示された。
 「入院調整体制関係」の「留意事項」では、入院調整の進め方について、「まずは軽症・中等症Ⅰの患者から医療機関間による調整の取組みを進める」としているが、コロナ患者は、「コロナの症状が軽症・中等症Ⅰと判断される場合であっても、基礎疾患の増悪や虚弱体質の高齢者の状態悪化等により入院が必要となる患者がいることに留意」した移行の取組みを求めた。
 「宿泊療養施設確保計画」については、隔離のための宿泊療養施設が5月7日で廃止となり、高齢者や妊婦の療養のための宿泊療養施設が、自治体判断で経過的に9月末まで継続する。このため報告においては、療養対象者を明確化することになっている。
 「臨時の医療施設等確保計画」についても、臨時の医療施設が5月8日以降は廃止が基本となり、計画は終了する。ただし、健康管理の臨時拠点や、特に必要と判断される場合の医療施設としての存続も当面可能としており、その機能などに応じて、◇宿泊療養施設の確保居室◇医療施設の確保病床のいずれかの位置づけを行った上で、両計画に反映させるとしている。

 

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