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ホーム全日病第801回/2013年5月15日号金融審議会 保険金の直接払い...

金融審議会 保険金の直接払いを認める。病院も対象か

金融審議会 保険金の直接払いを認める。病院も対象か

 

 金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するWG」の4月4日の会合に、金融庁は、介護や人間ドック受診等のサービスで、損害保険の保険金を直接事業者に支払うことは可能とする見解を「議論の整理」で示し、保険業法施行規則にもとづく監督指針に「直接支払い」にかかわる留意事項等を書き込む方針を明らかにした。
 事務局の考え方はWGでも合意されているため、6月をめどにまとめる予定の報告書に盛り込まれ、金融審議会から麻生特命担当大臣へと答申される見通しだ。
 保険金の「直接支払い」はサービスの現物給付にあたるとして、保険法と保険業法で原則的に禁じられている。
 これについて、事務局は、この日のWGで、「損害保険や生命保険及び定額給付型を除く第3分野保険では、法律上、損害をてん補することを約する保険が認められており、現行法でも現物給付を行なうことが可能」とした上で、「サービス提供者への保険会社による保険金の直接支払いサービスは、約定した保険金を代理受領するものであり、保険金受取人等の同意があれば特段禁止されるものではない。むしろ、ニーズがあるものについては、様々な課題をもっている現物給付よりも直接支払いで整理し、対応してはどうか」いう解釈を示した。
 「直接支払い」は、介護保障保険などを販売する保険会社からの要請を受け、そのルール等を明確にするために、検討課題の1つに取り上げられた。
 同WGの第1回目会合で介護付有料老人ホーム等を子会社にもつ明治安田生命が出席、「医療機関、介護事業者等に直接給付金をお支払いするスキームが認められないか」と提起している。
 「直接支払い」の場合、保険会社は提携事業者を定め、加入者に給付の必要がある場合は提携事業者においてサービスを受け、約定にしたがった金額を保険会社が提携事業者に支払い、余った金額は加入者に払い戻す、不足が生じたら加入者に請求することになる。
 この日のWGで、事務局は「提携事業者として、病院は一般に公的保険なので、どこまで実益があるのかという点がある。介護や老人ホームと比べると利便性で劣るように思えるが、今後の検討課題となろう」と述べ、病院が提携先に入る可能性を否定していない。費用の割引についても「可能だ」とした。
 自由診療で、「直接支払い」に割引が付加される可能性もある。提携先から保険会社の小会社を除くという方針は明確になっていない。今後、「割引サービスを伴う直接支払い」が顧客の囲い込みにつながっていく可能性もある。