全日病ニュース

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医療界が一丸となって制度改革に対応する姿勢打ち出す

医療界が一丸となって制度改革に対応する姿勢打ち出す

【臨時総会】
外国人技能実習制度受入れ事業で定款変更

 全日病は、臨時総会を3月25日に開催した。2月25日の理事会で承認した2017年度事業計画・予算、2016年度事業計画の一部変更・補正予算を報告するとともに、外国人技能実習制度受入れ事業に伴う定款変更を承認した。西澤寬俊会長は、2018年度に多くの制度改革が予定されていることから、2017年度は重要な年になると強調するとともに、日本医師会や他の医療団体と協力し、「医療界が一丸となって対応する姿勢」が大切だと述べた。
 西澤会長は挨拶で、最近の不安定な社会情勢を踏まえ、「医療・介護を始めとする社会保障の充実がますます重要になっている。我々の責任もそれに応じて重くなっている」と述べた。
 2017年度は、地域医療構想の実現に向けた議論が本格化し、2018年度には第7次医療計画、医療・介護同時改定という大きな課題があることを示した。
 さらに、「難題が次から次へと起きる」と指摘。医師の需給問題や関連する医師偏在対策の議論が停滞していることに加え、新たな専門医の仕組みが計画どおりに進まない可能性が出てきたことに懸念を示した。その上で、全日病として、様々な変化に対応し、会員病院を支援する姿勢を強調した。
 来賓には、横倉義武・日本医師会会長、羽生田俊・参議院議員、自見はなこ・参議院議員が臨席された。
 横倉会長は、地域包括ケアシステムを目指す中で、診療所・中小病院のかかりつけ医を中心とした医療・介護連携の必要性を強調した。2018年度の診療報酬・介護報酬同時改定に向けては、医系議員の政府・与党への働きかけが重要になるとして、積極的に支援する姿勢を示した。政府の「働き方改革」では、医師に対する時間外労働の規制について、5年間の猶予が与えられたことを説明。「地域医療の適切な提供に問題が生じない対応が必要」と今後の議論に期待した。
 羽生田議員は、今国会の厚生労働省提出法案の中で、たばこの受動喫煙防止策を強化する健康増進法が最も紛糾すると予想。自見議員は、新人議員として研鑽を積む中で、厚生労働委員会で専門医制度と働き方改革について質問したことを報告。働き改革に関して、医師の働き方の特殊性を強調し、「自分たちの働き方を議論していく必要がある」と述べた。
外国人介護人材の受入れ事業等を推進
 報告事項として、猪口雄二副会長が2017年度事業計画と2016年度事業計画の一部変更、中村康彦常任理事が2017年度予算、2016年度補正予算を説明した。
 2017年度事業計画は、冒頭で、「2017年度は医療界、とりわけ病院にとって大事な年となる」と明記。具体的な課題として、「地域医療構想に基づく第7次医療計画の策定」、「医療従事者の需給に関する検討」、「2017年度末で廃止予定の介護療養病床のあり方等」、「診療報酬・介護報酬同時改定」をあげた。これらに対応するため、「日本の医療・介護現場を支える病院団体として、根拠に基づく提唱、発言、要望を続けていく」としている。
 引き続き、多岐にわたる調査・研究および提言・要望活動を実施するとともに、新規事業として、外国人介護人材の受入れ・紹介事業を推進する。
 第59回全日本病院学会は9月9~10日に石川県支部を中心に神野正博支部長を学会長として、金沢市で開催する。夏期研修会は、7月23日に広島県支部(種村一磨支部長)で開催する。
 新たな事業である「外国人技能実習生受入れに係る職業紹介事業」については、「外国人技能実習制度を活用し、技能実習生へ我が国の医療・介護技能等の移転を図り、発展途上国の医療レベル向上を担う人材育成を行う。外国人技能実習生を積極的に受入れ、国際貢献を果たし、会員病院等が実習実施機関となり、医療従事者対策、教育研修等の経験を活かしていく」とした。
 2016年度事業計画の一部変更については、「救急医療・災害時医療・感染症対策に関する事業」に、「2016年度熊本地震における被災病院等に係る支援の実施」の追加などの変更を行った。
 2017年度予算では、経常収益は約6億7,600万円、経常費用は約6億7,300万円で、経常収益から経常費用を差し引いた経常増減額は約333万円を見込んでいる。2016年度補正予算では、経常収益および経常費用とも当初予算に対して増額となった結果、経常増減額は約270万円の増額を計上した。
 決議事項としては、外国人技能実習制度受入れ事業に伴う定款変更を承認した。全日病の事業を規定する定款第4条に、「外国人技能実習生受入れに係る事業」と「医療従事者無料職業紹介事業」を追加。さらに、第48条に「外国人技能実習生受入れに係る事業等」の規定を設けた。

 

全日病ニュース2017年4月15日号 HTML版

 

 

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    2017年4月1日 ... 医師偏在対策、働き方改革など新たな課題に全力で対応|第891回/2017年4月1日
    号 HTML版。21世紀の医療を ... 医師の自律性のもとで議論している新専門医制度
    計画どおりに進まない可能性が出てきた」と懸念を表明し、全力で対応してく必要がある
    とした。 続いて、来賓として招かれた横倉義武・日本医師会会長、羽生田俊・自民党
    参議院議員、自見はなこ・自民党参議院 ... 定款の変更では、全日病の業務に◇外国人
    技能実習受入れに係る事業◇医療従事者無料職業紹介事業─を追加 ...

  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2017年4月1日号)

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2017/170401.pdf

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    医師会会長、羽生田俊・自民. 党参議院議員、自見はなこ・自民党参 ... 外国人技能
    実習受入れ事業で定款変更. 一般病床の退院患者の対応でも異論.

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