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ホーム全日病ニュース(2022年)第1013回/2022年7月15日号入院時食事療養費の適正な金額への見直しを要望

入院時食事療養費の適正な金額への見直しを要望

入院時食事療養費の適正な金額への見直しを要望

【四病協】給食用材料費などの値上げ傾向が続き赤字拡大は明らか

 四病院団体協議会は6月27日、「入院中の食事療養に必要な費用に関する要望書」を後藤茂之厚生労働大臣に提出した。給食用材料費や光熱水費の値上げ傾向が続くなかで、1994年度以来据え置かれている入院時食事療養費について、患者負担を増やさずに適正な金額に見直すことなどを求めた。
 入院時食事療養費は1994年度に導入され、1日1,900円に設定された。消費税引上げに対応し、1998年度に1日1,920円に引き上げられたが、2006年度に1食当たり640円に変更となった。その後、消費税の引上げがあったにもかかわらず設定額の見直しは行われていない。
 入院中の食事療養に必要な費用が1日単位から1食単位に変更になったことは、「提供食数にかかわらず必要となる固定費を無視した制度に改変された」と言える。
 一方、患者負担は1食当たり260円という食材費相当分に加え、調理費も患者負担となり、2018年度からは460円に上がっている。
 中医協では、2017年10月に「入院時食事療養の収支等に関する実態調査」を実施している。その結果、病院の給食部門は全面委託・一部委託・完全直営の運営形態を問わず、赤字となっていることが報告された。赤字要因は、◇給食収入の減少◇給食業務委託費(人件費)の上昇◇光熱水費の上昇─と考えられる。
 さらに足元では、調理師の人材不足が深刻さを増しており、人材不足を補うために新たな設備投資が必要となってくる。
 直近では、原油価格の高騰による給食用材料費、光熱水費、厨房機器の購入費用、関連工事費の上昇が追い打ちをかけている。赤字額が2017年調査時より悪化していることは明らかな状況にある。
 要望書では、「病院は医療法施行規則で、『給食施設は入院患者のすべてに給食することのできる施設とする』と決められ、病院はこれを遵守すべく努力しているが、制度はこの条文を置き去りにしていると言わざるを得ない」と訴えた。
 その上で、以下の2点を要望した。
◇給食部門の収支状況について早急に実態調査を実施し、入院中の食事療養に必要な費用について適正な額となるよう改正することを要望する。その際に、患者の食事療養標準負担額が増えることがないよう要望する。
◇病院厨房管理には、食数にかかわらず人件費を含めて固定費が発生する。この固定費部分については、入院患者1人1日あたりの報酬として支払われる制度に変更することを要望する。

 

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    2022/06/27 ...厚生労働大臣 ... 事療養の収支等に関する実態調査」 において、 給食部門は全面委託・一部 ... この条文を置き去りにしていると言わざるを得ない。

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