主張・要望・調査報告
「病院のあり方に関する報告書」
おわりに
「病院のあり方に関する報告書」2015-16 年版発刊から5年が経過した。
この間、2025 年に向けた「地域医療構想」、「地域包括ケアシステム」への方向性がみえてきたとし、医療・介護分野に関する政府の関心は、団塊世代ジュニアが高齢者となるとともに生産年齢人口減少が続き人口がピーク時比4000 万人減となる2040 年に向けての社会保障改革に移ってきた。
財政難の中で、我々を取り巻く環境は一層厳しくなると想定される中、会長を含めた委員会メンバーから、全日病も2040 年をどう意識し行動していくべきか検討すべきとの指摘があり、約2年にわたっての作業をまとめて報告書として発刊するものである。
ほぼ1年検討が進んでいる中で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大がおき、日本の医療介護提供体制の弱点を露呈させることとなったが、我々は将来なすべき課題解決を迅速化させる出来事ととらえ、これを教訓にした理想的な提供体制構築が必要として議論を進めた。
最初の報告書発刊から20 年が経過し、その実現内容を振り返った上で、はじめて20 年後の世界を予測しながら、我々自身が望む体制を提言し、会員にはどう行動をとってもらいたいかをメッセージとして発信したつもりである。
項目ごとに担当者を決め、提出されたたたき台を全員で協議する手順を踏んだが、最終段階では今回初めて常任理事の査読を受け手直しをして、これまで以上に全日病の行動指針と位置付けられるよう工夫もした。
本報告書の提言が少しでも実現するように、組織や会員一人一人の積極的な行動を強く祈念する次第である。
病院のあり方委員会
委員長 徳田 禎久