全日病ニュース

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2015年度介護報酬改定 療養機能強化型、算定要件の詳細が示される

▲15年度介護報酬改定について説明する迫井老人保健課長

2015年度介護報酬改定
療養機能強化型、算定要件の詳細が示される

【全国介護保険担当課長会議】
厚労省告示と主な通知の案を提示。関連通知とQ&Aも追って発出

 厚生労働省は3月3日の「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議」で、2015年度介護報酬改定の報酬告示および同告示と基準省令にかかわる通知の各改正案を都道府県の担当者に示した。また、2015年度介護報酬改定の概要を説明する資料の中で、介護療養施設サービスに新設された療養機能強化型の算定要件の詳細(別掲)を明らかにした。

「介護療養型も看取りへの対応が求められる」

 指定居宅サービスの基準省令に関する通知案(「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について」)には、訪問リハの運営基準に、同一事業者が訪問リハと通所リハを提供する場合に両サービスの運営の効率化を図ることができるという見直しの具体的内容が、また、リハビリテーション会議の構成要員等が、それぞれ明記された。
 報酬告示の通知案(「栄養マネジメント加算及び経口移行加算等に関する事務処理手順例及び様式令の提示について」)には、経口移行計画(経口移行加算)と経口維持計画(経口維持加算)の様式例が新たに示された。
 留意事項の通知案(「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」)には、介護保健施設サービスに新設された追加加算(入所前後訪問指導加算Ⅱ)について、その策定が算定要件となる「生活機能の具体的改善目標」と「退所後の生活に係る支援計画」の内容が明示された。
 新たな処遇改善加算に関しては、「手続きなど対応の具体的な内容は追って示す」(迫井老健局老人保健課長)とされた。
 告示等の改正は3月11日に締め切るパブコメの終了後に公布される。この日の会議で提示された告示と通知の改正案は現時点のものであり、追って、その他の関係通知や疑義解釈が発出される予定だ。

老健新設の入所前後訪問指導加算(Ⅱ)は看取りも視野

 会議における15年度介護報酬の説明で、迫井課長は、「リハビリテーションマネジメントの強化」と「看取り期における対応の充実」が重要なテーマとなっているとの認識を披露、説明に多くの時間を割いた。
 看取りについては、今回の介護報酬改定では、全般に、居宅サービスにおける看取り介護加算の報酬を底上げするとともに、小規模多機能型居宅介護にも「看取り連携体制加算」を新設するなど、看取り評価の充実化に力が注がれた。
 同課長は、また、介護保健施設サービスに新設された入所前後訪問指導加算(Ⅱ)を取り上げ、「この加算は(退所後支援計画において)在宅における看取り期までを視野に収めたものである」と説明。
 さらに、こうした考えは介護療養型医療施設にも貫かれているとして、新設された療養機能強化型の要件にターミナルケアの計画の策定と多職種共同によるその実施が盛り込まれた意義を明らかにした。
 療養機能強化型に関しては、すでに5つの算定要件の概要が明らかにされているが、会議の資料にその詳細が示された(別掲)。
 その介護療養型医療施設について、同課長は、「今回の評価は、その法律的な位置づけ(18年3月廃止)を変えるものではない。しかし、現に存続しているので、求められている機能を果たしているところを評価した」と述べた。

療養病床推移の報告を3ヵ月毎に都道府県に要請

 会議の資料で、老健局の老人保健課は「療養病床再編成の状況に関する厚生労働省への情報提供」をあらためて各都道府県に要請した。
 療養病床の動向について、同課は療養病床再編施策を実施した2006年7月以降、都道府県宛の事務連絡で毎月の療養病床数推移の情報提供を要請、12年度からは3ヵ月ごと(7月、10月、1月、4月)の病床推移の報告を受けてきた。
 その後、14年8月には、同趣旨の要請を、医政局総務課長、保険局介護連携政策課長、老健局老人保健課長の連名通知に切り替え、以後、遅延のない報告の提出を求めてきた。
 今回の要請は、18年3月末に控える介護療養型医療施設廃止への対応策を検討する上で、全国の介護療養型の転換状況および医療療養病床の動向をより早くかつ正確に捕捉する必要に迫られていることから、各期限の報告が未提出の県に対してもあらためて協力を求めた。
 14年8月の通知では、療養病床に限らず、一般病床数と精神病床数の推移についても情報の提供を求めている。