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ホーム全日病ニュース(2020年)第962回/2020年5月1日号電話・オンライン診療の初診料は214点

電話・オンライン診療の初診料は214点

電話・オンライン診療の初診料は214点

【中医協総会】緊急経済対策に盛り込まれた特例対応を了承

 中医協総会は4月10日、持ち回り開催により、初診からの電話・オンライン診療の診療報酬上の対応を了承した。特例の電話・オンライン診療の初診料は通常の288点より低い214点となった。対面が原則の診療において、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた緊急経済対策により、特例的な取扱いを認める。受診履歴のない患者も対象となるため、厚生労働省は3カ月ごとに実態を把握し、検証する。
 新型コロナウイルスの感染状況に応じ、電話・オンライン診療による診療や処方は、「再診」において、これまで段階的に特例措置を拡大し、診療報酬上の取扱いを示してきた。診療は対面が原則であり、厚労省は、初診での実施には慎重で、「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」でも委員からは慎重は意見が目立った。しかし、規制改革推進会議の後押しなどもあり、今回の緊急経済対策で、可能とした。
 初診から電話・オンライン診療を行うにあたっては様々なケースがある。
 電話などで患者が医療機関に連絡し、診療が不要と医師が判断する場合は、「健康相談」の範疇になり、診療報酬の対象外である。対面診療が必要と判断されれば、「受診勧奨」として、通常どおり来院が促される。
 診療が必要で電話・オンライン診療が可能と判断された場合は、今回の特例の対象となる。今回の対応では、医療機関に患者の受診履歴がない場合も対象で、電話・オンライン診療が可能な医療機関を厚労省がリスト化し、患者はリストで受診先を選ぶことが想定されている。
 医療機関は初診料や処方料、処方箋料を算定できる。初診料は「電話等を用いた初診料」として、通常の288点より74点低い214点。処方料(42点)、処方箋料(68点)は変わらない。ただし、受診中の患者に対し新たな症状で電話・オンライン診療を行った場合は、診療報酬上は初診扱いとはせず、電話等再診料(73点)を算定する。
 慢性疾患を抱える定期受診患者で、電話・オンライン診療を行う前から、「情報通信機器を用いた場合」が「注」に規定されている管理料を算定する患者は147点をあわせて算定できる。
 具体的には、特例疾患療養管理料や生活習慣病管理料、糖尿病透析予防指導管理料、地域包括診療料などを算定している患者である。
 薬局は、医療機関から送付された処方箋情報に基づき調剤を行い、電話などによる服薬指導を行った場合、調剤技術料、薬剤料、特定保険材料、薬剤服用歴管理指導料などを算定できる。医薬品の処方は、横流しのリスクがあるため、一定の制限を設ける。
 また、通常のオンライン診療料でも特例的な対応を講じる。具体的には、「1カ月あたりの再診料等(電話等再診は除く)およびオンライン診療料の算定回数に占めるオンライン診療料の割合が1割以下であること」の規定は、新型コロナウイルス感染が拡大している間は適用しない。
 なお、オンライン診療における診療報酬の変更は現時点ではこれのみ。今回の電話・オンライン診療の特例は、基本的には、電話等再診料の枠組みで整理しているためだ。

 

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