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外来と入院で診療報酬上の特例的な対応を了承

【中医協総会】新型コロナ患者に救急医療管理加算が算定可能に

　中医協総会は４月８日、医療機関における新型コロナウイルスの感染防止対策を評価する診療報酬上の特例的な対応を了承した。７日に閣議決定された政府の緊急経済対策に盛り込まれたもので、一般の医療機関が新型コロナウイルス感染者を受け入れることを想定し、外来診療と入院管理における感染予防策の評価を既存の診療報酬項目を準用し、算定できることにした。
　外来では、新型コロナウイルス感染疑い患者への感染予防策を講じた診療を評価するため、「院内トリアージ実施料」（1回300点）を算定できることにする。「院内トリアージ実施料」は通常、夜間・休日・深夜の受診患者の緊急度に応じて診療の優先順位づけを行うトリアージを実施した場合に算定できる。施設基準の届出は不要とする。
　算定の際に求める必要な感染予防は、「新型コロナウイルス感染症診療の手引き・第１版」に則った対策を求める。手引きに、受診時刻や入口等の調整（時間的・空間的な感染予防策）を行った上で、患者を受け入れるなどの方策が記述されている。
　入院では、緊急に入院が必要と判断された新型コロナウイルス感染症患者に対する診療の評価として、「救急医療管理加算１」（1日950点）を最長で14日間算定できるようにする。「救急医療管理加算１」の算定要件である「緊急に入院を必要とする重症患者として入院した患者」とみなす。施設基準の届出は不要で、通常の算定日数の限度は７日となっている。
　感染予防策を講じた診療の評価では、新型コロナウイルス感染症患者の入院診療で、「二類感染症患者入院診療加算」（１日250点）を算定できるようにする。通常は、第二種感染症指定医療機関でないと算定できない。また、個室や陰圧室で受け入れた場合は、二類感染症患者療養環境特別加算（200点～ 500点／日）を算定できることを明確化している。
　また、さらに手厚い対応を４月18日の事務連絡で実施した（２面参照）。
　今後は、感染症病棟や一般病棟で新型コロナウイルス感染症患者の受入れが困難な場合が想定される。このため、地域包括ケア病棟入院料を算定する病棟や療養病棟入院基本料を算定する病棟に新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた場合、それぞれ在宅患者支援病床初期加算（300点／日）や在宅患者支援療養病床初期加算（350点／日）を算定できることも明確化した。
　全日病会長の猪口雄二委員は、すでに一般の医療機関が新型コロナ患者に対応し始めていると強調するとともに、「施設基準等で求めている各種の研修の要件について、さらに柔軟な取扱いを検討してほしい」と要望した。