全日病ニュース

新型コロナ重症患者対応の特定入院料を倍増

【中医協総会】中等症対応では救急医療管理加算を倍増

　厚生労働省は４月18日、新型コロナウイルス感染症の重症・中等症患者への診療報酬を倍増させる対応を事務連絡した。17日に、安倍晋三首相が「重症者の命を救うため、懸命に治療している医療従事者に対し、診療報酬を倍増するなど処遇の改善に取り組む」と発言したことを受けたもので、中医協総会を持ち回りで開催し決定した。
　今回の対応は３点の特例的な対応からなる。①重症の新型コロナウイルス感染症患者の治療の評価の倍増②患者の重症化等を防ぐための管理および医療従事者の感染リスクを伴う診療の評価③新型コロナウイルス感染症患者の受入れに伴い必要な手続きなどの柔軟な対応─である。以下で順にみていく。
　重症な患者とは、ECMO（体外式心肺補助）や人工呼吸器による管理など呼吸器を中心とした臓器不全の患者で、その重症患者が入院する特定入院料の診療報酬を倍増する。具体的には、救命救急入院料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料のそれぞれの入院料の点数が２倍になる。
　また、特定の患者については算定できる日数も延長する。具体的には、「急性血液浄化（腹膜透析を除く）を必要とする状態、急性期呼吸窮迫症候群または心筋炎・心筋症のいずれかに該当する患者は21日」、「ECMOを必要とする状態の患者は35日」としている。感染リスクに配慮した手当てとしての加算も２〜４倍とする。
　酸素療法が必要な患者を想定した中等症以上の患者の重症化や、他の患者または医療従事者への感染を防ぐための診療の評価では、入院料ではなく、救急医療管理加算の２倍相当の加算を算定できるようにする。「救急医療管理加算１」は950点で２倍の1,900点を通常７日までを14日まで加算できる。
　なお、４月８日の事務連絡の対応では、新型コロナウイルス感染症の患者に対して、「救急医療管理加算１」が14日まで算定できることや、二類感染症患者入院診療加算に相当する加算を算定できることを示していた。
　新型コロナウイルス感染症患者の受入れに伴う手続きなどの柔軟な対応では、通常の入院医療とは異なる体制を臨機応変に整えることが必要であることから特例措置を講じる。一般病棟で新型コロナ感染症患者を受け入れた場合でも、救命救急入院料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料と同等の人員配置を整えた病床であれば、簡易な報告により、各点数を算定できるようにする。
　また、救急救命入院料は通常、院内からの転棟では算定できないが、患者の同意を得た上で、入院経路を問わず算定できるようにする。