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ホーム全日病ニュース(2023年)第1038回/2023年8月15日号酸化エチレンの大気排出抑制に向けた取組みを周知

酸化エチレンの大気排出抑制に向けた取組みを周知

酸化エチレンの大気排出抑制に向けた取組みを周知

【日医・四病協】今夏から2026年春にかけてアンケート調査で実態把握

 全日病など四病院団体協議会や日本医師会は、発がん性のある酸化エチレン(エチレンオキシド)の大気排出抑制に向けた取組みに努めている。2023年2月16日には、日医・四病協の連名で、具体的な取組方針を明らかにし、会員に周知した。一方、環境省は今夏から2026年春にかけて、取組方針に基づく各病院の状況について、計4回のアンケート調査を実施する予定。四病協としては、各病院団体の会員病院が、取組方針に基づく対応に協力することをお願いしている。
 酸化エチレンは無色透明の液体であり、医療機器等の減菌等に用いられる。発がん性が強いことでも知られており、国際がん研究機関の発がん性分類において、「ヒトに対する発がん性がある」とされるグループ1に分類される。
 日医・四病協の取組方針では、病院等が少しなりとも酸化エチレンを排出しているとの状況を踏まえ、大気環境の保全のみならず医療従事者の健康の保護に留意し、作業環境の改善と安全確保を推進する必要があるとした。そのため、酸化エチレンの排出を抑制し、環境中の濃度を下げるよう、以下の取組事項に努めることを求めている。
① EO(エチレンオキシドガス)減菌装置を買い換える場合、まずは代替手法の減菌装置を購入する。
② ①の取組みが難しければ、EO減菌の外部委託を行う。その際は、減菌業者に問合わせの上、排ガス処理装置を適切に使用していることを確認する。
③ ①と②の取組みが難しい場合は、買い替えにあたって排ガス処理装置をセットで購入する。
④ 大病院においては、EO減菌装置の買い替えを待たずとも、積極的に上記①から③の取組みを行う。
 アンケート調査は、これらの取組み状況を把握することなどを目的に実施される。調査時期は、2023年夏、2024年春、2025年春、2026年春の計4回で、その結果を最終評価にまとめる。調査票の発送・通知は四病協で実施し、集計は環境計画研究所が担う。

 

全日病ニュース2023年8月15日号 HTML版

 

 

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