全日病ニュース

病院機能評価受審支援相談　初回訪問を受けて

社会医療法人博愛会 開西病院　事務部課長　竹内宏一

　当院は1996年９月、北海道帯広市に許可病床数100床で開院し、その後2003年には196床となり、今では整形、内科、外科、脳神経外科を中心に一般急性期（78床）、回復期リハビリテーション病棟（48床）、療養病棟（60床）、地域包括ケア病床（10床）を備え、医療・介護・福祉の連携と専門病院としての一貫した医療サービスの提供、社会復帰・在宅復帰への促進に取り組んでいます。
　当院においては、病院機能評価を受審するのは２度目であり、１度目は2005年と18年前となっており、それから一度も更新することなく現在に至っていましたが、この度の新型コロナウイルス感染症の影響で様々な事が変わった中、改めて医療の質を見直し、さらなる機能向上を目指すため、再度、認定に向け「病院機能評価受審支援事業」への応募とし、今回支援をいただける事となりました。
　2023年９月にキックオフ・ミーテイングを開催。その後、初回訪問日が2023年11月30日となり、初回訪問には、事務管理領域担当アドバイザー・中嶋照夫先生にお越しいただいての支援相談となりました。
　まず、病院機能評価の概要で、病院機能評価が目指しているものとしての解説の中に監査とは異なる視点での課題の明確化、職員と患者の安全の確立、課題解決に向け一緒に考える事や全職員が主体的に医療の質向上に向けた活動を取り組めるようにする事があげられていました。
　また、訪問審査時の進め方や流れ、評価方法、ケアプロセスなど受審に対してのイメージが持てるような解説をしていただきました。
　次に、事務管理領域項目の「3rdG:Ver.3.0」項目体系のポイントとして変更された評価項目（中項目・評価の視点・評価の要素）、評価方法の見直しについては、「組織」「人材」「経営」「地域・患者支援」の４つのブロックにまとめられた、各中項目をブロック毎に関連づけながらの評価方法が導入されており、ワンポイントアドバイスを入れながらの各項目解説でとてもわかりやすく、改善検討への取り組みができる内容をうかがいました。
　新たな評価方法となるカルテレビューについては、カルテ記録の定常状態の評価やケアプロセスの調査として臨床の現場で展開される診療・ケア、業務の流れなどの実践状況や経過に沿った確認が行われるプロセス重視の評価が導入されており、こちらは、確実で質の高い安全な医療を安定・継続的に提供するためのものだと感じました。
　最後のプログラムでは、事前に提出としていた施設基本票に対しての課題解説、指導を受け、講評および意見交換で終えました。
　今回の訪問アドバイスを受けて、多くの項目で見直しが必要で課題も多いと感じますが、各部署による項目ごとの自己評価については、解説集の内容を踏まえ状況を客観的に把握することが大事であり、改善した内容等は院内での情報共有とし、受審への取り組みをきっかけに改めて現状での課題が明確になることで、多職種による改善検討の場や、質を向上させるきっかけ作りができ、少しでも当院がより良い方向へ進み、当院のアピールポイントが増えるような取り組みを行っていきたいと思いました。
　受審認定だけが目的ではなく認定に向けた取り組み過程が大事であり、認定後も改善の仕組みを機能させ継続的な質改善こそが重要であると感じました。
　また、中嶋先生には予定外でしたがお忙しい中、翌日の午前中にもお越しいただいて、事務の業務、体制等の現状況についてご相談させていただきました。解決への道筋やアドバイス等をいただき誠にありがとうございました。
　まだ、病院機能評価はスタートしたばかりで課題も多いですが、全職員で目標を共有し、受審から認定に向け取り組んでいきたいと思います。