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ホーム全日病ニュース(2024年)第1058回/2024年7月1日号医師偏在対策やかかりつけ医機能などで全日病の意見を発信

医師偏在対策やかかりつけ医機能などで全日病の意見を発信

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【全日病・第12回定時総会】2024年度改定や医師の働き方改革の影響の実態把握も行う

全日本病院協会は6月15日に第12回定時総会を開き、2023年度の事業報告を行うとともに、2023年度決算を了承した。総会では、猪口会長が挨拶し、最近の医療情勢を概観した。日本医師会の定例代議員会が6月22日にあり、4年にわたる副会長の任期を終えることも報告した。
 また、武見敬三厚生労働大臣と自見はなこ内閣府特命担当大臣が来場し挨拶したほか、松本吉郎日本医師会会長からビデオメッセージが送られた。

猪口会長が日医副会長の任期終了  猪口会長は冒頭挨拶で、医療をめぐる最近の情勢について発言した。2024年度診療報酬改定については、改定財源の多くが医療従事者の賃上げに充てられることになったが、昨今の賃上げ状況をみると、診療報酬改定では対応し切れず、医療機関の「持ち出し」が生じかねない状況に懸念を示した。
 2024年度改定では、賃上げ対応以外でも大変多くの改定項目があることから、病院団体による実態調査を含め、2024年度改定の病院経営に対する影響を把握する必要性も強調した。
 4月には医師に対する時間外労働規制も施行されている。現時点で大きな問題が起きているという声はきこえておらず、大学病院の対応の影響が表れてくるのも今後であると考えられるため、もう少し待ってから病院団体として実態調査を実施する意向を示した。
 地域医療構想については、現状の地域医療構想が2025年を目標としており、新たな地域医療構想に向けた厚労省の検討会には猪口会長が構成員として参加している。猪口会長は、「新たな地域医療構想は「今年の議論で作り方を決めて、その後実施に向けた準備に入る。今の感じだと実施は2027年度になりそうだ」と述べた。
 地域医療構想以外でも、医師偏在対策やかかりつけ医機能の制度整備など医療提供体制にとって重要な課題の議論が進んでいる。厚労省の「医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会」には神野正博副会長、「かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会」には織田正道副会長が構成員として参加していることを伝えた。
 猪口会長は、「これらの重要な課題には、国の審議会等で積極的に全日病の意見を発信していく」と強調した。
 また、「4年間にわたって会長と日本医師会副会長を兼務してきたが、その任期がまもなく終わる」と報告した。「この間、役員ならびに会員の先生方に深いご理解、サポートをいただくことができ、自分なりに役目を果たすことができたと考えている」と述べた。

愛媛県支部の理事が髙石理事長に
 報告事項では、織田副会長が2023年度事業報告を行った。◇医療制度等に関する調査研究・提言、政府や関係団体との連絡協議◇病院の管理運営等に関する調査研究・提言◇医師その他病院関係者への教育研修・検定・普及啓発◇医療従事者無料職業紹介事業◇外国人受入れ事業─などを説明した。
 決議事項では、中村康彦副会長が2023年度決算案を示し、承認された。2023年度決算は経常収益が7億2,870万円、経常費用が7億5,070万円で、2,200万円のマイナス。これは全日病福祉センターからの寄付金を一般正味財産として収入計上するのではなく、災害支援積立資産として指定正味財産に計上したことが主な理由となっている。
 また、愛媛県支部の理事交代を承認した。医療法人松原会松山第一病院の松原泰久理事長から医療法人社団樹人会北条病院の髙石義浩理事長・院長に交代となった。

武見厚労相と自見特命担当相が挨拶

 武見厚労相と自見特命担当相が来場し挨拶を行った。
 武見厚労相は最初に、今年1月1日に起きた能登半島地震に言及。大きな被害が生じた中で、神野副会長が理事長の恵寿総合病院は、耐震構造など防災体制が備わっており、透析治療を含め被災後すぐに医療再開が可能となったことに対し、敬意を表した。医療保険制度全般については、社会経済環境の変化の中で、「皆保険制度の基盤が確実に壊れてきている」と危機感を示した。デジタル化などテクノロジーの進展を踏まえ、「現状の保険制度の枠組みでは対応できない事態が生じている」とし、医療に対する新たな財源確保が課題であるとした。
 医師偏在対策については、地域偏在とともに診療科偏在が深刻との認識を示し、プライマリケアを担う医師の確保などを図るため、抜本的な改革が必要と主張した。そして、「皆さんの協力なくして実行できない。医師偏在をどうすれば確実に是正できるかの議論を先生方が主導してほしい」と訴えた。
 マイナ保険証の利用を医療機関で増やすための協力も求めた。「全国津々浦々に医療DXを普及させる上で、マイナ保険証はパスポートの役割を果たす。12月には確実に現状の保険証は廃止となる。一定の猶予期間を設けるなど丁寧な対応は行うが、医療機関がデジタル化に対応できるようマイナ保険証利用の普及をお願いする」と述べた。
 自見特命担当相は、様々な担務がある中で、地方創生に関し、「東京一極集中是正がテーマの一つだ。少子化の状況で言えば、東京の出生率は0.99人で1を下回ったが、大学生になると多くの若者が東京に流入し、卒業後も特に女性が東京にとどまる。出生率が高い地方があっても若者自体が少なく高い出生数にはならないという構造的な問題がある。医療・介護分野の人材不足にも直結している。これをどう考えるか。この国家的課題に社会保障の観点を含めた国民的な議論が大変重要になっている」と強調した。
 日医の松本会長は、猪口会長が副会長として4年間、日医や国の審議会等で指導力を発揮してきたことに感謝を示した。また、物価高騰・賃金上昇の「荒波」の中で、医療界が一致団結し行動していくことの意義を強調した。

 

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  • [1] 2024.2.15 No.1049

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2024/240215.pdf

    2024/02/15 ... 看護・介護の手間を評価したB項目. の廃止や、救急搬送後の入院の評価日. 数の短縮なども含み、急性期一般入院. 料1を届け出ている病院にとっては厳.

  • [2] 総合医へのキャリアチェンジを支援

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2017/171115.pdf

    2017/12/13 ... 「今後激変するプライマリケアの現場で一歩踏み出せること」を目標とする。 ... る医師偏在対策で一定の合意を得た。 国と都道府県が地域医療や ...

  • [3] 2024.6.15 No.1057

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2024/240615.pdf

    2024/06/15 ... 病院・診療所間の偏在に対して、「病. 院勤務医から開業医へシフトする流れ. を止めなければならない」と強調した。 現状の「外来医療計画」の効果は不十.

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