全日病ニュース

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「自然増を高齢化要因に限定、年平均0.5兆円程とすべし」

「自然増を高齢化要因に限定、年平均0.5兆円程とすべし」

【財政健全化計画等に関する建議】
歳出改革で財務省が要求。マイナス改定や地域医療構想を強力に推進する措置を提起

 財政制度等審議会(会長・吉川洋東大大学院教授)は6月1日に今後の財政運営のあり方を「財政健全化計画等に関する建議」にまとめ、麻生財務大臣に提出した。麻生大臣は同建議を同日の経済財政諮問会議に報告した。
 建議は、2020年度に国と地方の基礎的財政収支(PB)の赤字解消を目指す財政運営の基本的考え方として「歳出改革を柱とする」ことを宣言。
 社会保障については、「歳出の伸びを『高齢化による伸び』に相当する範囲内に抑制すべく、医療・介護を中心として歳出改革に取り組む」方針を掲げ、「『団塊の世代』が75歳の仲間入りを始める2020 年代初頭までに制度改革を実施に移す必要がある」と提起した。
 社会保障関係費について、その「自然増」には、診療報酬の薬価部分に市場実勢価格を上回る過大要求があることや診療報酬本体に高齢化による影響以外に「医療の高度化等」など様々な要素が織り込まれていると指摘し、社会保障費全体の伸びを「高齢化による伸び」に相当する範囲内にする必要があるとの見解を表わした。
 具体的には、直近3年間の高齢化による伸びが年平均0.5兆円程度であることから、その範囲内に抑えるべきとした。
 その上で、医療関係の歳出改革に関しては、①「地域医療構想」と整合的な配置基準と診療報酬体系の構築、②老人保健施設などと整合的な療養病床の配置基準と報酬水準、③「地域医療構想」において都道府県の勧告等に従わない病院の報酬単価の減額等措置、④改革が進まない地域の報酬単価の調整、⑤標準的な外来医療費算定式の設定、⑥診療報酬と介護報酬のマイナス改定、⑦受診時定額負担・免責制の導入、などを求めた。