全日病ニュース

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医療介護連携におけるケアマネや多職種、事業所間の連携で議論

医療介護連携におけるケアマネや多職種、事業所間の連携で議論

【厚労省・医療介護総合確保促進会議】
「病院は“生活の場”の実態を知るべき」との声も

 厚生労働省の医療介護総合確保促進会議(田中滋座長)は7月4日、総合確保方針の改定に向けた議論を行った。医療と介護の連携推進について意見交換し、病院の専門職も在宅の現場の実態を知るべきという声があったほか、職種間連携だけでなく、事業所間連携も一体に推進する視点が重要とする意見があった。
 総合確保方針は、医療介護総合確保促進法に基づき、医療と介護に関する各種の計画の整合性確保を目的としている。国が定める医療計画・地域医療構想の基本方針や介護保険事業(支援)計画の基本指針の上位に位置づけられ、2014年9月に策定された。
 今回の改定は、2018年度に同時施行となる第7次医療計画と第7期介護保険事業(支援)計画をにらんだもので、医療介護総合確保促進会議で3月に議論が始まった。厚労省は年内に見直しの議論をとりまとめたいとしている。
 厚労省は見直しに際して、(1)計画策定に関する整合性の確保、(2)在宅医療の推進及び在宅医療と介護の連携の推進、(3)医療・介護の連携の核となる人材の確保の3点を論点として提示。1回目(3月9日)は(3)の人材確保を中心に議論が行った。
 2回目のこの日は、(2)を取り上げ、「地域包括ケアシステムの具体化に向けた現場での医療介護連携の促進」と題して、①病院と介護との連携を実現するために必要な取り組み②居宅等で医療と介護を一体に提供するために必要な取り組み③異なる職種間での相互理解を促進するために必要な取り組み④行政としてこれらの取り組みを支援するために必要な取り組みという4つの視点を示した。
 議論では、「ケアマネは担当の要介護者が入院すると連絡がとりにくくなる。制度的な対応を考えるべきだ」、「在宅時のケアマネを主治医と同様に位置づけ、ケアマネが配置されている施設への入院入所時は相互に協力してケアマネジメントする仕組みを考えてはどうか」など、ケアマネジャーを軸に医療介護の連携を提案する意見があった。
 これに対して全日病会長の西澤寬俊構成員は、「各職種ともいずれかの事業所に属している。したがって事業所間の連携をどう推進していくかという視点も重要ではないか」と指摘。職種間連携と事業所間連携を一体に進めていく必要を提起した。
 病院と在宅の連携に関して、構成員から「病院の職員が在宅の現場を理解できていないのはやむを得ない面がある。むしろ、これを前提として連携を考える必要がある」との意見があった。
 この発言に対し、日本医師会副会長の今村聡構成員は、「そうした一面があることは否定できないが、急性期の病院はともかく、少なくとも地域の中小病院は“ 生活の場” を理解して医療介護の連携に努めていくべきではないか」と反論した。

 

全日病ニュース2016年7月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 介護保険最新情報Vol.419

    http://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2015/150213_3.pdf

    2015年2月12日 ... 括ケアシステムを実現するために必要な情報の収集・発信、事業所や職種間の. 調整
    といった役割 ... 合. 格. 合. 格. ○ 地域包括ケアシステムの中で、医療職をはじめとする
    多職種と連携・協働しながら、利用者の尊厳を旨とした自立支援に資す.

  • [2] 在宅医療・介護連携のための市町村ハンドブック(厚生労働省老健局

    http://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2013/131226_1.pdf

    また、従来の在宅医療連携拠点事業の主体をはじめ、それぞれの地域で従前から在宅
    ... これに介護関係職種を加えた多職種による真に包括的なケアの ..... 坂井地区広域
    連合は「顔の見える多職種連携会議」を設置し、地域包括支援センター単位での医 .....
    〇 前述の医師・ケアマネジャー間のファックス通信のような連携ルールは、定期的に課.

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