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ホーム全日病ニュース(2021年)第990回/2021年7月15日号コロナ感染フェーズ変更時の病床確保料の県の対応に苦言

コロナ感染フェーズ変更時の病床確保料の県の対応に苦言

コロナ感染フェーズ変更時の病床確保料の県の対応に苦言

【日病協】医療現場の実態踏まえた対応求める

 日本病院団体協議会は6月25日に代表者会議を開いた。終了後の会見で議長の斉藤正身・日本リハビリテーション病院・施設協会会長は、福岡県の新型コロナの病床確保の補助金の対応をめぐり苦言を呈した。実際の状況を確認した上で、関係者に現場の実態を訴える考えだ。
 新型コロナの感染状況の指標であるフェーズが下がり、感染者の低下が見込まれ、必要なコロナ病床数が減れば、確保分を一般病床に戻していくことになる。それに応じて、補助金の病床確保料も支払われなくなるが、その対応が性急であれば、病院にとっては収入面の問題が生じる。
 斉藤議長は、新型コロナの病床から一般病床に戻しても、すぐに患者が戻るわけではなく、新たな感染拡大が起きれば、再び新型コロナの病床を準備しなければならないと指摘。病床転換は一朝一夕にできるものではないため、病床確保料についても、一定期間は支払われるべきと主張した。厳格すぎる対応に対しては、医療現場の実態を踏まえ、配慮を求めた。さらに、福岡県の対応が全国に広がることに懸念を示した。

DPC 分科会の復活を求める
 骨太方針2021が閣議決定されたことについては、特に「さらなる包括払いのあり方の検討も含めた医療提供体制の改革につながる診療報酬の見直し」が明記されたことに対し、言及があった。
 日本私立医科大学協会参与の小山信彌副議長は、「さらなる包括払いの検討を、厚労省の入院医療等の調査・評価分科会のDPC/PDPS 等作業グループで行うのは、非公開であるため不適切。従来のDPC 評価分科会を復活させて、病院団体の委員を複数入れて、公開で議論すべきだ」と述べた。また、「さらなる包括払い」の具体的な内容について、「短期滞在手術等基本料の拡大があるのではないか」との考えを示した。
 また、新興感染症等の医療提供体制が事業に加わる医療計画の見直しに関係する感染症の予防計画の検討会や、電子カルテの標準化に向けた議論の場においても、病院団体の委員が複数参加することが望ましいと主張した。

 

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