全日病ニュース

特定行為研修を修了した看護師の訪問看護を評価

【中医協総会】訪看ステーションのみでなく医療機関での評価も求める

　中医協総会（小塩隆士会長）は10月27日、2022年度診療報酬改定に向けて、訪問看護をテーマに議論した。特定行為研修を修了した看護師が同行看護をして、専門的な処置を行った場合の訪問看護を、新たに評価する方向が示された。
　現在、専門看護師や認定看護師が他の看護師と共同で訪問看護を行う場合、訪問看護基本療養費Ⅰの「ハ」（12,850円）を算定できる。しかし、特定行為研修を修了した看護師が同行しても算定できない。
　このため、専門性の高い看護師による同行看護の評価が論点となった。
　日本医師会常任理事の城守国斗委員は、特定行為研修を修了した看護師を含めて、専門性の高い訪問看護を評価する方向に理解を示したが、「患者の状態や看護の内容に応じた評価とするべきだ」と主張し、同行看護において一定の要件を設けるべきであるとした。
　また、専門性の高い看護師による単独看護の評価も検討すべきと提案した。さらに、訪問看護ステーションのみでなく、医療機関からの訪問看護においても、看護師の専門性を同様に評価するべきとした。
　一方、協会けんぽ理事長の安藤伸樹委員は、特定行為研修修了者による専門的な処置を評価する方向に賛意を示しつつ、実際の処置が専門的なものであるかを確認が行われるようにするため、要件をさらに議論すべきとした。

理学療法士による訪問看護
介護報酬と同様の対応求める
　訪問看護ステーションからの理学療法士による訪問看護の評価も論点となった。訪問看護ステーションの従事者数において理学療法士の割合が増加していることを踏まえた問題意識だ。
　介護報酬では2021年度の改定で、理学療法士が訪問看護の一環でリハビリテーションを行う場合、時間と回数を訪問看護指示書に記載するとの見直しが行われた。城守委員は、診療報酬においても指示書に理学療法士による訪問看護の時間や回数を記載するように見直すことを提案した。この提案に、協会けんぽの安藤委員も賛成した。
　また、小児への訪問看護に係る関係機関のさらなる連携強化についても議論した。訪問看護情報提供療養費の算定が可能な情報提供先を広げる方向となっている。