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ホーム全日病ニュース(2022年)第1011回/2022年6月15日号入院・外来等分科会の検討状況を報告

入院・外来等分科会の検討状況を報告

入院・外来等分科会の検討状況を報告

【中医協・基本問題小委、総会】看護の処遇改善に向けたデータ分析の結果

 中医協の診療報酬基本問題小委員会(小塩隆士小委員長)は6月1日、看護の処遇改善の制度設計に向け、入院・外来医療等の調査・評価分科会の検討状況について、尾形裕也分科会長から報告を受けた。分科会と同様に、診療報酬における入院料等の算定回数と看護職員数のデータを病院ごとに紐づけ、相関関係をみるためのシミュレーションの実施が、厚生労働省に求められた。
 5月19日の入院・外来医療等の調査・評価分科会と同様の資料が示され、同分科会での意見も紹介された。報告を受け、日本医師会常任理事の城守国斗委員は、「医療機関により、診療報酬における入院料等の算定回数や看護職員の配置数はさまざまで、我々の実感と符合していることがわかった」と、データ分析への見解を示した。
 その上で、「入院料等の算定回数と看護職員の配置数の相関関係をみることは、制度設計に向けた道標となり、補助金と比較しても、比較的ばらつきを抑えられる制度設計ができることを期待するが、過不足は患者変動により必ず生じる。そのため、余裕のあるバッファーを設けることも考える必要がある」と提案した。
 健康保険組合連合会理事の松本真人委員は、「入院料等の算定回数と看護配置数が病院ごとに大きくばらついていることがわかった。ばらつきの小さい組み合わせを追求する場合は、それが一定期間安定的であることを確認する必要がある。また、個別の医療機関ごとに係数を設ける方法も、検証がやりやすいので選択肢になる」と述べた。一方で、「看護職員の約3割が病棟以外の配置であることを考慮すると、入院患者だけに負担を求めることへの合理的な説明も求められる」と指摘した。
 全国健康保険協会理事長の安藤伸樹委員も、患者負担の問題に言及。「患者負担増の納得が得られる仕組みとしなければならない」と強調した。

DPC病院の合併で病床が大幅増
 引き続き、第522回中医協総会が行われ、DPC対象病院の合併の報告があった。医療法人錦秀会阪和記念病院(大阪市)と医療法人錦秀会阪和住吉総合病院(同)が6月1日に合併し、医療法人錦秀会阪和記念病院となった。合併後もDPC/PDPSを継続する。
 旧阪和記念病院は135床でうちDPC算定病床が78床、旧住吉総合病院は115床で、すべてDPC算定病床であった。合併後の阪和記念病院の病床数は481床で大きく増加した。うちDPC算定病床は157床となった。報告のみで特に委員からの質疑は無かった。

DPC対象病院は1,764病院
 2022年度診療報酬改定を踏まえたDPC制度の現況報告があった。
 2022年4月時点で、DPC対象病院は1,764病院、対前年度で9病院増加。DPC準備病院は259病院、同12病院増加している。病床数は、DPC対象病院が約48万床、同2千床増加。DPC準備病院が約2.2万床、同1千床増加している。DPC対象病院の1病院あたりのDPC算定病床数の平均は274床、最小は12床、最大は1,218床。
 DPC対象病院を規模別でみると、500床以上が250病院、400床以上500床未満が149病院、300床以上400床未満が234病院、200床以上300床未満が325病院、100床以上200床未満が468病院、100床未満が338病院となっている。

 

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  • [1] 第3章 2040年における理想的な医療介護提供体制:「病院のあり方 ...

    より具体的な医療提供体制再構築には、人口推移とDPC データを基にした2次医療圏 ... コストの構造、報酬の算定内容が異なり平等とはいいがたく過不足が生じてきた。

  • [2] 病院のあり方に関する報告書

    加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で明らかとなった医療・介護分野に. おける諸課題は、国や各自治体、提供体制側それぞれにあり方の再考を迫るものである。

  • [3] 2022.6.1 No.1010

    2022/06/01 ...「2022年4月1日時点で、DPC対象病. 院は1,764病院。 ... 上乗せ分と必要額の過不足を小さくす ... 「DPC/PDPS、短期滞在手術等基本料」、.

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