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医薬品等の費用対効果評価制度の議論も開始
医薬品等の費用対効果評価制度の議論も開始
【中医協・費用対効果評価専門部会】保険収載の可否に制度を用いることの是非で意見
中医協の費用対効果評価専門部会(飯塚敏晃部会長)は4月26日、医薬品などの費用対効果評価制度の今後の議論の進め方を了承した。2024年度診療報酬改定に向け、今後、関係業界や費用対効果評価専門組織からの意見聴取も行いつつ、検討項目を整理した上で、議論を深める方向になった。
費用対効果評価制度は、高額薬剤の登場が相次ぐ状況の中で、医療保険制度の持続可能性を確保しつつ、国民の医薬品へのアクセスを担保し、イノベーションの推進にも配慮するために、2019年度から本格的な運用が開始された。その後、制度の改善が図られているが、複雑さも増している。
新規・既収載の医薬品などが費用対効果評価の対象品目に指定されると、各区分に従って、分析が行われ、結果により価格調整が行われる。多くの場合、通常の薬価算定等により設定される価格が下がる調整となる。しかし、比較対照品目に対し効果が高く、費用も下がるドミナントと呼ばれる区分に該当すれば、価格は上がる。
2019年度からの品目指定数の推移をみると、類似品目の区分であるH5を除くと、2019年度が5品目、2020年度が5品目、2021年度が10品目、2022年度が13品目と年々上昇している。H5区分を含めると2021年度が15品目で最も多い。類似品目で多い医薬品としては、効能・効果がCOPD(慢性閉塞性肺疾患)のテリルジーやリンパ腫のキムリア、片頭痛のエムガルティがある。
費用対効果評価の対象に選定後、分析・評価が行われ、実際に価格調整が行われるまでの期間が長いとの指摘があり、2022年度改定では、分析・評価のプロセスの改善を実施した。あわせて、研究者の育成など運営体制の充実を図っている。
一方、2022年12月の政府の新経済・財政再生計画・改革工程表2022では、「保険対象外の医薬品等に係る保険外併用療養を柔軟に活用・拡大すること」の検討が求められている。健康保険組合連合会理事の松本真人委員は、保険適用の可否にも同制度を活用することの検討を求めた。これに対し、日本慢性期医療協会副会長の池端幸彦委員は、「制度が軌道に乗り始めたばかり。体制における課題もあり、制度そのものの議論はまだ早い」と述べた。
全日病ニュース2023年5月15日号 HTML版
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