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ホーム全日病ニュース(2023年)第1034回/2023年6月15日号社会保障費の中での財源付け替え反対で緊急声明

社会保障費の中での財源付け替え反対で緊急声明

社会保障費の中での財源付け替え反対で緊急声明

【日病協】少子化対策の財源確保の方針に危機感を表明

 日本病院団体協議会は6月7日、「良質な医療・介護を守るために必要な財源確保に係る緊急声明」を発表した。5月31日の国民医療推進協議会と歩調を合わせ、「少子化対策の財源を単に社会保障費の中での付け替えにより捻出すること」に反対。その上で、2024年度の医療・介護・福祉のトリプル報酬改定で、「物価高騰と賃上げへの対応」を骨太方針2023に明記し、「必要財源を確保すること」を求めた。
 日病協として、診療報酬の財源確保に関し、声明を出すのは異例。会見した日病協議長の山本修一・地域医療機能推進機構理事長によると、政府のこども未来戦略方針で少子化対策の財源を歳出改革等で賄う案(1面参照)が示されるなど、様々な報道が出ていることをから、日病協として声明を出すことで一致したという。
 会見で山本会長は、「来年にトリプル改定が控えている状況で、医療費抑制の議論が出て、大変危惧している。必要な財源を別に確保することを骨太方針に明記してほしい」と述べた。
 物価高騰と賃上げについては、「光熱費は5割増、賃金は人事院勧告がどうなるかわからないが、3%増もあり得る状況。医薬品や材料も高騰しており、全体でかなりの費用の増加になる。これに報酬改定が対応できなければ、医療機関の経営は持たない」と訴えた。
 副議長の仲井培雄・地域包括ケア病棟協会会長も、「賃上げができないと人が集まらない。特に、地方の人手不足は深刻だ。入院時食事療養費の引上げも必要になっている」と述べた。
 記者からは、「医療側も歳出削減努力をすべきではないか」との質問が出た。これに対し、山本会長は、「病院経営は極めて低い利益しか出ない体制になっており、これまでも歳出削減努力はしてきた。確かに、この数年は、コロナ補助金で潤った病院もあるが、補助金を除けば完全に赤字の状況。今後は補助金にも頼れず、厳しい状況が続く」と答えた。
 また、診療報酬改定で、高齢者医療の充実など必要な医療を提供するための財源を確保する必要性も指摘した。

 

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