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医療法改正の施行日決まる

ガバナンス規定は９月、会計基準の適用は来年４月

　昨年９月に成立・公布された医療法の一部改正法のうち、医療法人の経営の透明性の確保およびガバナンスの強化に関する規定の施行日がこのほど公布された政令により決まった。ガバナンスについては法律の公布から１年以内とされていたが、３月25日の政令により本年９月１日から施行されることになった（政令第81号）。また、経営の透明性に関する規定は公布から２年以内とされていたが、2017年４月２日の施行となった。４月２日以降開始事業年度から、負債額50億円以上または収益額70億円以上の医療法人は、会計基準の適用と外部監査が義務付けられる。
　昨年の医療法改正は、医療法人のガバナンスを強化するため、一般社団法人などと同様に理事長および理事の忠実義務や任務懈怠時の損害賠償等に関する規定を定めた。３月25日に公布された政省令によって、社員総会や理事会など医療法人の機関に関する規定を整備するとともに、医療法人の定款例および寄付行為例、関係通知が改正された。
　社団たる医療法人は、社員総会、理事、理事会および監事を置かなければならないとしたほか、理事会の職務、招集・開催、決議、議事録等についての規定を定めた。理事長および理事は、医療法人のために忠実にその職務を行わなければならないとし、医療法人に損害が生じた場合に、理事がその任務を怠ったときには損害賠償責任を負うとしている。
　また、理事長は医療法人の業務を執行し、自らの職務の執行状況について、年に２回以上、理事会に報告しなければならないこととされた。
　改正法の施行に伴い、９月１日以降に設立認可の申請をする法人は、改正後の定款例および寄附行為例によることとしている。また、施行日において存在する医療法人は、定款および寄附行為において理事会に関する規定を置いていない場合、施行から２年以内に定款および寄附行為の変更の認可申請をしなければならない。ただし、変更前の定款例および寄附行為例に倣った規定がある場合はこの限りではない。
医療法人に外部監査を義務付ける
　経営の透明性確保に関する規定は2017年４月２日から施行されることになった。これに伴い、医療法人会計基準が20日の官報で公布された（厚生労働省令第95号）。負債額の合計が50億円以上、または収益額の合計が70億円以上の医療法人は、医療法人会計基準に基づいて、貸借対照表および損益計算書を作成するとともに、公認会計士等による外部監査が義務付けられることになった。また、官報または日刊新聞、インターネットを用いて、貸借対照表等を公告しなければならないとしている。社会医療法人については、別途規定がある。
　医療法人会計基準は、四病院団体協議会が2014年２月にまとめた会計基準を参考に制定された。会計基準は、①総則、②貸借対照表、③損益計算書、④補則で構成され、総則においては、医療法第51条に規定する医療法人は省令の定めるところにより、貸借対照表および損益計算書を作成しなければならないとした上で、◇財政状態および損益の状況について真実な内容を明瞭に記載する、◇すべての取引について正規の簿記の原則によって正確な会計帳簿を作成するなどの会計の原則を示している。