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ホーム全日病ニュース(2020年)第975回/2020年11月15日号外国人患者受入れ体制の報告事項を了承

外国人患者受入れ体制の報告事項を了承

外国人患者受入れ体制の報告事項を了承

【厚労省・医療情報提供検討会】全国統一的な検索サイトに病院の報告義務化

 厚生労働省の医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会(尾形裕也座長)が10月29日にオンラインで開催され、医療情報提供制度に関する前回の議論を整理した。今後、開発に着手する予定の全国統一的な検索サイトに、医療機関が報告しなければならない外国人患者の受入れ体制の項目を定める告示案を了承した。
 前回の議論では、報告義務のうち、「外国人の患者の受入れに関するサポート体制の整備」について、病院だけでなく、診療所や歯科診療所、助産所も対象とする方向で議論が行われた。義務は報告することであり、体制整備の有無ではないこと、また、外国人対応に積極的な診療所もあるためだ。
 しかし、厚労省は今回、「外国人患者対応の専門部署」がある病院は1.7%、「部署はないものの専門職員あり」の病院は1.9%に過ぎず、病院のみの報告事項とすることが妥当であると説明した。また、診療所などの任意の情報提供についても、告示で定める報告事項に基づく、全国統一システムであるため、情報の統一性が重要であり、任意の情報提供は、独自の医療機関ホームページなどで行うべきであるとの考えを示した。
 NPO法人COML理事長の山口育子委員は、「診療所はやはりほとんど該当しないので、今回の整理でよいと思う。ただ、今後状況が大きく変わる可能性はあるので、その時々の状況に合わせ、柔軟に見直すべき」と述べた。その他の委員も概ね賛意を示した。
 一方、日本医療法人協会副会長の小森直之委員は、外国人患者受入れ体制に関して報告義務のある3項目の関係や内容を質問した。3項目は、①対応できる外国語の種類②多言語音声翻訳機器の利用の有無③外国人の患者の受入れに関するサポート体制の整備─。
 小森委員は、「①がヒト、②がモノによる対応として、ヒトによる対応を上位に置いているのか」と質問。厚労省は、「どちらが優れているというわけではなく、ヒトとモノを分けて報告してもらう」と回答した。
 また、③の外国人の患者の受入れに関するサポート体制の整備に関して、「病院に英語や中国語など外国語が流暢な職員がいた場合に、その職員が一時的に対応した場合でも該当する」ことを小森委員は確認。報告において、「職員の専任・兼任は問わない」ことが明確にされた。
 全国統一的な検索サイトは、来年度から開発に着手し、医師の時間外労働規制が適用される2024年度までに運用させることを目指している。
 医療広告に、「看護師が医療機関において手順書により特定行為を実施している場合の業務の内容」を記載する事項も整理された。「特定看護師」の記載が「専門性資格」を明示するものではないことなどに留意し、医師の働き方改革やチーム医療を推進している病院であることを示していることの観点を含め、広告例のイメージを示した。

 

全日病ニュース2020年11月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 全日病ニュース・紙面PDF(2020年8月1日号)

    https://ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2020/200801.pdf

    2020年8月1日 ... 助産所など。新型コロナ患者とその他. の患者が混在しない動線確保など、院. 内
    での感染拡大を防ぐための取組みを. 行う医療 ... 座長には尾形裕也・九州大学
    名誉教授. が就任した。 ... しては、賛意を示す意見が相次いだ。

  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2018年11月1日号)

    https://www.ajha.or.jp/voice/topnews/backnumber/pdf/2018/181101.pdf

    2018年11月1日 ... 座長は、猪口正孝常任. 理事(AMAT本部統括)と ... 科会(尾形裕也分科会長)は
    10月18日、. 入院医療に関する2018 ... 医道審議会保健師助産師看護師分科. 会
    看護師特定行為・研修 ... 加算の提案に賛意を表明。また、これ.

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