全日病ニュース

介護施設でのコロナ患者対応

【事務連絡】診療報酬上の取扱い示す

　厚生労働省は４月30日、「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて（その43）」を事務連絡した。新型コロナの感染拡大を踏まえ、介護施設でクラスターが発生した場合に、新型コロナ患者が介護施設で療養する場合の診療報酬の取扱いを疑義解釈の形で示している。緊急往診加算や院内トリアージ実施料、在宅酸素療法指導管理料が算定できる。
　介護医療院・介護老人保健施設・地域密着型介護老人福祉施設・介護老人福祉施設に入所する者が、新型コロナに感染したものの、病床逼迫時であるため、やむを得ず、当該施設での入所を継続し、療養を行っている場合の取扱いを明確にした。
　その状況において、新型コロナに関連した患者の訴えにより、介護老人福祉施設の配置医師または介護医療院等の併設保険医療機関の医師が緊急に往診した場合、緊急往診加算（850点）を算定できる。ただし、初再診料、往診料は別に算定できない。
　院内トリアージ実施料（300点）についても同様に算定できるが、初再診料、往診料は算定できない。院内トリアージ実施料を算定する際の必要な感染予防策については、「新型ウイルス感染症（COVID-19）診療の手引き」に従う。
　酸素療法に関する指導管理を行った場合も同様に、在宅酸素療法指導管理料２「その他の場合」（2,400点）を算定できる。ただし、同管理料は複数の医療機関が関わっても、主として診療を行う医療機関だけが算定できる。なお、在宅療養指導管理材料加算は、要件を満たせば従来どおり算定できる。
　４月21日の事務連絡（新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて（その42））では、自宅・宿泊療養での対応を示した。
　都道府県等が、自宅・宿泊療養を行っている者への、症状増悪時の健康相談対応を事業者に委託している状況で、①最初に、患者・家族が事業者に電話等で症状増悪に伴う健康相談を行い、②健康相談を受けた事業者が、医師に対して患者に関する情報提供を行い、③その医師が患者・家族に電話等を行い、患者・家族から直接往診を求められ、往診の必要性を認め、可及的速やかに患家に赴き診療を行った場合は、往診料を算定できることを明確にした。
　また、昨年４月18日の事務連絡（新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて（その12））では、新型コロナ患者受入れの際、特定集中治療室管理料等と同等の人員配置とした病棟にすれば、新型コロナ患者または本来当該入院料を算定する病棟で受け入れるべき患者が入院する場合、「簡易な報告」を行うことにより、該当する入院料を算定できるとした。
　この取扱いでは、運用開始の日付や人員配置基準について、地方厚生局に報告することになっている。ただし、受入れ準備などで運用開始までに報告が間に合わない場合も、事前に地方厚生局に相談し、運用開始から該当する入院料を算定し、追って簡易な報告を実施しても、「差支えない」と明記した。